第3日:運動器系と三つの体液循環
今日は、からだの基礎構造の中で代謝に関わる
「運動器系」と、「体液の巡り」について
考えて参ります。
運動器系は移動に必要な骨だけでなく、筋肉や皮下組織、そして皮膚まで含んでいるのです。
筋肉には、神経や血管が張り巡らされており、
単に動くための装置ではなく、全身の巡りを支
える、大切な役割を担っています。
「からだ」には、
血液、リンパ液、脳脊髄液という体液があり、
常時循環しています。
橋本敬三先生と交流があった、野口体操考案者
の野口三千三先生は、からだを「液体の入っている袋」に例えました。
中身の体液は常に流れを保っており、
その通り道となる、筋肉や組織の状態が良好
だからこそ、血液やリンパ液は滞らずに循環で
きているのです。
もし骨格に歪みが生じると、
筋肉は張りを失ったり、逆に緊張したりして
窮屈になります。
その結果、
体液の巡りが妨げられ、
皮膚上にまず不調のサインが現れるのです。
歪みが流れを妨げる
「からだ」の歪みにより、
異常感覚が生じるとどうなるのでしょうか。
皮膚は緊張してつっぱったり、
反対に過度にゆるんだりして、神経のゆとりを
超えてしまいます。
その結果、外胚葉系から内胚葉系、
そして中胚葉系すべては「窮屈」になって、
血液やリンパ液や脳脊髄液の流れが滞るので、
微小循環は自然に機能低下していきます。
これは、水道管やガス管を少し潰したら流れが
悪くなるのと同じです。
からだの中でも、まったく同じことが起こっているのです。
今日のまとめ
皮膚を含んでの運動器系は、
「動き」と「ながれ」をつなぐ土台です。
歪みが生まれると、循環の停滞はすぐに
からだのサインとなって表れます。
明日は、からだの歪みが具体的にどのような
循環障害を起こすのか、を見ていきます。
2025年秋季東京操体フォーラムは11月24日(月)勤労感謝の日振替にルーテル市ヶ谷センターで開催致します。
テーマは「解禁・新重心理論」です。おたのしみに。