東京操体フォーラム 実行委員ブログ

操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

深秋の候より…2

おはようございます。

 

最近、山から熊が降りてきて人を襲ったというようなニュースを、よく見るようになりました。

私の住む県内でも、今月にスーパーに熊が侵入し、買い物客ら2人が負傷する事件がありました。

熊も冬眠前のこの時期は活動が活発になるようで、山に餌が無ければ里に降りてきてしまうのかもしれません。

また、最近は山里も人口減少で、人の手入れが行き届かず、境界線のないまま、都市部まで降りてきてしまうのかもしれません。

 

話は変わるのですが、ふと操体の創始者である橋本敬三先生の言葉が浮かんできました。

野生動物には医者はいない。
獣医は人に飼われた動物園と家畜のためにある。

              

野生動物は、体調に異変があっても、本能的に生命活動のバランスを制御し、早いうち(重篤にならないうち)に自力自療を成し遂げます。

殆ど全ての生物は、自力自療を成し遂げながら、それぞれ生を全うしているのです。

 

しかし、人間の場合は、自力自療が成るように動的設計が成されているのに、何らかの我欲や束縛により、無理に頑張ったりして、これを成せなくしています。

そして重篤になって、明らかに異常な症状となってから、専門の治療者に任せるというのが、一般的になってしまっています。

 

そうなる前に、何んとかしなければ、と誰もが解っている筈です。

しかし、どうすれば良いのかは、分からなくなっているのが現状でありましょう。

なぜ、分からなくなっているか?

それは、自分の都合ばかりで思考しているから。
からだのことも考えてほしいのです。

 

からだが自分の意識の及ばないところで、生命と健康を維持しようとしているのは、紛れもない事実です。

その、からだの営みに背反するように、からだを不正当に使って、自分の行動欲を満たそうとばかりしていれば、からだがいくら健康を維持しようと努めていても、どうにもなりません。

 

からだを正当に使えるように、からだの営みを理論的にも理解し、からだ及び生命存在の元の基から、健康に導くのが真の健康学でありましょう。

そこに自力自療が成り立つのだと思います。

 

 


2025年秋季東京操体フォーラムは11月24日(月)勤労感謝の日振替日にて、ルーテル市ヶ谷センターで開催致します。
今季テーマは「解禁・新重心理論」です。