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東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

東京操体フォーラム in 京都(4)二日目

フォーラム二日目。前日遅くまで起きていたが6時に起床。早起きの岡村王子の姿はない。どこかに散歩に行っているのだろう。顔を洗ったりしているうちに、岡村王子が帰って来た。今日も朝ご飯はイノダコーヒーに行くのだ。島津先生ご夫妻、平相談役をはじめ、昨日はイノダコーヒーに行かなかったメンバーも含めてぞろぞろと目的地に向かう。途中でタイミング良く川嶋さんと合流。
店内に入り、席に通されると私は昨日同様「今朝のモーニング」を頼んだ。ちょっと眠いけれど朝食をとってコーヒーを飲んでいると目が覚めてきた。私はイノダコーヒーのオリジナル灰皿が気になり、お土産に一個購入した。これは灰皿というか、お猫様の水とかご飯入れによさそうな気がしたからだ。ついでにロータスのビスケットの小袋を買う。

イノダコーヒーの前で。三浦先生と山本監督。監督の白いハンチングは岡村王子からのプレゼントらしい

その後ホテルに戻る頃には、太陽の光が強くなり、気温が一層上がっているような気がした。今日も暑い一日になりそうだ。ホテルからタクシーで大徳寺玉林院に向かう。タクシーの運転手さんが妙にお寺に詳しい方で、玉林院の重要文化財の茶室の話を良く知っていた。茶室の話を聞きながら会場に到着すると、すでに参加者が続々と集まって来ていた。

最初の30分は担当畠山で、「質疑応答&復習」を行った。受講生の植田君をモデルに指名し、第1分析と第2分析をそれぞれ実演した。言いたいことをまとめると『楽と快の区別をつけよ』『動診と操法の区別をつけよ』ということになる。私はこの二つの理解が成り立たない限り、「きもちよさをききわける」という動診・操法は成り立ちがたいと思っている。

植田君をモデルに、上肢伸展を行う。後ろの三浦先生のチェック目線が非常に気になる(笑)

次は平相談役の「拝啓橋本先生&アンディ」。ご存じの通り、平相談役はチーム・アンディの一員として故アンディ・フグ氏と非常に親しかった。そして、アンディのお墓は玉林院の近く、芳春院に眠っているのである(芳春院は、前田利家の正室、まつが利家の死後落飾して芳春院となった。あまり関係ないが、伊達政宗の母堂は保春院という)。これも不思議な偶然だ。偶然と言えば(いや、必然なのだろう)、島津兼治先生の柳生心眼流は伊達家であるい。仙台と言えば伊達家だし、温古堂は仙台、平さんは出身仙台という不思議なご縁が浮かび上がってくるのである。途中で蝶々がふわふわと本堂の中に紛れ込んで来た。平さんは「多分アンディですね」と呟き、話を進めていった。

平直行相談役

参加者をモデルにした実技

そして北村翰男(ふみお)先生の二日目の講義。『痛みが抜けるゆるやか操体法』の続きである。身振り手振りのテンポでみせる講義に皆釘付けになっている。昨日から感心しているのだが、三浦先生とは違う芸(?)を見ているようだ。さすが関西、というしかないのだが、そのハコビは非常に勉強になる。今日も『自分で治せるのに、なんで治さないの?』と、繰り返し患者に問いかける姿が印象的だった。また、「薬を売らない薬局」「治療しない鍼灸院」を実際やってみた経験、治療費を全て患者さんに委ねた経験など、普段私達が経験できないようなことを体験を踏まえて話して下さった。


三浦先生、畠山による「般若身経」の実技。三浦先生が「間違った側屈」畠山が「法則に則った側屈」をしている。昨日は座学だったので、今日は動きの紹介に徹した。自然体立位の腰幅とは、足の内側なのか、それとも外側なのか、つま先とかかとは並行に、というのはどこを基準にするのか。利手によって、利手と反対の足を半歩前に出してから、骨盤を定位値に戻す、などの新しい試みが発表された。橋本先生は晩年、「般若身経の連動は末端からだ」と言われたことがあるそうで、前屈、後屈、左右捻転、側屈を末端からおこす試みである。

三浦先生の講義。

受講生の植田君をモデルにして、第1分析、第2分析を説明する。三浦先生は被験者に問いかける前にその結果を言い当てた。それに関して参加者から「どうして分かるのですか」という質問があったが、それは講習会参加して順々に学ぶしかない。


佐伯実行委員をモデルにした、からだの無意識の動きの発動。野口整体の活元運動と似ていると言われるが、一番違うところは、からだの無意識の動きと共に、「きもちよさ」が羅針盤になっているということだ。これに関しては、ゆくゆく三浦先生の著書で紹介される予定なので、著書を待つか秋のフォーラムにご参加するか、操体法東京研究会の定例講習に参加するしかない(笑)

この後、質疑応答の時間となった。東京から参加して下さった島津兼治先生も交えて、様々な質問が飛び交った。質問から受ける印象としては『楽と快の区別がまだまだ不明瞭』(つまり『どちらがきもちいいですか』という問いかけをしているケースが多い)。第1分析をやっているのだが、言葉上では「きもちよさ」と言っているケースが多いことがわかった。これはどこでも同じような感触なので、引き続き『楽と快の違い(第1分析と第2分析の違い)』と、『動診と操法の区別』を広めていくことを、進めていかなければならないと痛感した。


平さんの顎関節の矯正をする島津先生。柔医術(やわら)も、正体術も出所は同じなのだろうが、戦場で一瞬にして治すというスタイルをとった柳生心眼流と、漢方薬の如くゆるやかにやさしく、時間をかけた遅効性の操体の、それぞれの個性が見えて面白かった。普通の治療家は、遅効性で修得に時間がかかる操体よりも、スピーディで即効性のある柔医術に惹かれるのは当然だと思うが、ゆっくりしたことが出来る人は、速いこともできる。一度島津先生に皮膚の触診をしていただいたことがあるが、流石名人で、速くスピーディに力強くされるし、優しく、羽根のようにふんわりとしたこともされる。しかし、下手な一般人は『速くスピーディに力強く』はできるが、『優しく、羽根のように』ができないのである。物事は静から発するから、まず最初に操体のような『漢方薬的』なものを身に付けたほうが後々勉強しやすいのではと思った。

途中でMadridに向かう一行で写真を撮った。


また、質疑応答では、初日の講習で紹介された質問などが出た。都合があるのだと思うが、フォーラムは色々な講師の寄せ集めではなく、二日間、あるいは懇親会を含めて一つの学びの場となっている。懇親会は「ナイトフォーラム」と言われており、昼間できなかったような質問や、思いもかけなかった収穫がある場合が多い。抄録を作って配れば、参加していなかった時の講義内容が分かって良いのかもしれないが、フォーラムの発表は結構骨子だけ決まっているケースが多い。三浦先生はフォーラム前にはもの凄い量の資料を書いているが、参加者の顔を見て引き出しを開け閉めしているので、抄録はあまり面白くないのである。しかし抄録については検討したいと思う。


山本京都フォーラム実行委員長の挨拶。感極まって泣くかと期待(?)したがそうではなかった(笑)

夕方になっても暑さは和らぐことなく、東京操体フォーラム in 京都は無事終了した。今回の一番の収穫は、北村翰男先生をお呼びして西と東との交流を深められたこと、実行委員も一緒に寝泊まりし、一緒に食事をすることで一層結束を深めることができたことだと思う。また、いつも東京開催のため、なかなか足を運ぶ機会のない関西の方々とも交流を深めることが出来た。今回は玉林院さんはじめカメラマン白井氏はじめ京都の川嶋氏、奈良操体の会の皆さんにもお世話になった。

記念撮影。
この後、襖をはめ、廊下掃除をして全部片付けてお開きとなった。ありがとうございました。



9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラム in マドリード」開催
2010年操体法東京研究会定例講習は9月から始まります。
11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。