おはようございます。
宇宙をはじめ此の世のはじまりは、より根源的に突き詰めていけば、無極無限の無の世界に、太極が「愛と調和」という意志でもって「陰」と「陽」を設定し、物事を具現化できるようにしたことにはじまるという。
この「陰」と「陽」は正反対の性質を持つが、存在する全ては「陰」と「陽」を内在している。
もちろん私達にも内在しているが、それは単に姿形の構成要因としてだけではなく、何か心の奥底に有難い性質として内在しているのではないかとも思える。
しかし、関心を向けなければ、宝の持ち腐れとなってしまう。
操体の創始者である橋本敬三先生が、NHKラジオ放送に出演した際、以下の様なことを言われている。
だから有難いってことがわかってくるといいんだけれども、ま、一番有難いってのは、お母さんだな。
「慈悲無量寿」だと思う。
父のほうは、やっぱり天地と同じだと思うけど、これは「智慧」だと思うね。
だから「智慧無辺光」という言葉があるけどね、慈悲は無量寿、それが二つ揃えば、功徳は無尽蔵ですよ。
僕はそう思う。
お母さんの愛ってのは自分の欲得じゃないです。
だから男は女に敵わないってことだ(笑)。
慈悲とか智慧とか、普段あまり意識して生活している訳ではないが、誰でも奥底にはそうしたものがあるのではないかと思える。
しかし、誰だって欲望はあるし、不安もあるし、他人様や社会に不満もあるしで、忙しくて奥の方へ閉じ込められてしまっているように思う。
それでも慈悲はわかるし、慈悲に触れれば誰だって有難いと感じるだろう(表情に表れていなくとも)。
しかし、慈悲や楽ばかり求めていては成長はなく、いずれ自分で自分を苦しめる事になる。
だから、気持ちよく生きていく為には、智慧も必要になってくる。
しかし、智慧の方はわかりづらい面や、伝わりづらい面もあると思う。
よく慈悲と智慧は、子供の躾の例で例えられる。
智慧は、真理を知り迷いを破る力というが、仮に真理を知っていたとして、それを言葉にしようとしても当てはまる言葉がなかったり、あっても言葉の意味が理解できなければ、それは伝わらない。
また、いくら正しくとも力で無理強いすれば、反発を生む。
しかし、優しく相手の身になって幸福を願う様な、そんな慈悲の心が加わることで、頭で理解できなくともからだにヒビキ、心の奥底から納得した理解につながる。
躾に限らず、何事にもまずは慈悲の心に象徴される様なやさしさは必要だと思う。
また、物事がスムースにいく時には「陰」から「陽」への流れとなっているという。
2024年春季東京操体フォーラム開催致します。