その後、午後からの仕事もあり、のんびり九博見物している時間もないので、ミュージアムショップへ直行する。阿修羅展の限定カレンダーを売っていたが、荷物を考えて断念する。
そして九博(きゅ〜はく)名物発見。九博では、「針聞書」といって、1568年に書かれた(織田信長が摂津、つまり大阪を攻めた年)鍼治療の本を収蔵している。その本の現代版解説書が出版されているのだ。鍼治療の本と聞いて、早速手に取ってみた。
- 作者: 長野仁,東昇
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
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http://www.kyuhaku.jp/collection/collection_info01.html
当時、病気の原因は体の中に住んでいる虫が悪さをするためだと考えられていた。庚申信仰はご存じだろうか?
陰陽五行説の庚申の日の信仰である。人間の体の中には三尸(さんし)という3匹の虫がいて、暦の庚申の日に人が寝ているうちに閻魔様のところに行き悪行を伝えると言う話があり、それをさせないために、寝ずに神仏を祭るというものである。なお、この日は男女交合をしないとか、この日結ばれてできた子供には盗人の性質があるとか、(要は、庚申の日は慎みなさいということでしょう)そのような言い伝えがある。
赤ちゃんの「かんのむし」(疳の虫」)も、虫が悪さをするからだと言われたりする。宇津救命丸(今調べたら、400年の歴史があるらしい)の効能書きにも「かんのむし(かんむし)」と書いてある。
この本だが、絵が何とも言えずユーモラスである。現代の「ゆる系キャラ」に通じるのではないか。画像を是非どうぞ。
http://www.kyuhaku.jp/collection/collection_info01-2.html
「肝積」(かんしゃく)というのは『肝臓にいる虫。酸っぱい物が好きで、油くさい物が嫌い。常に怒っているような顔の色である』
「肝虫」(かんむし)もいる。
「陰虫」(かげむしん)詳細説明を読むと、色が白と赤の二色なのは、精液と経血の色だからなんだそうで、取り憑かれると色情に狂う(笑)らしい。確かこの他にも色情系の虫がいたが、いずれも『治らない』とか『死ななきゃなおらない』などと書かれていた気がする。好色には治療法はないということか。確か他にも「吝嗇」(ケチ)は治らないとかそんなのもあったような気がする。
ところで、この「針聞書」を現代版にして解説を加えた『針聞書 虫の知らせ』を買った。イラストに現代訳で説明してあるのだが、鍼灸の解説書なので、鍼の打ち方についての説明がある。面白いのは『この鍼の方法は大変難しいので、書けない』とか『この方法は直接師から習うべし』と書いてある。
つまり
『本を読んだだけじゃわからんよ』と言っているのである。
操体も同じで、師匠について学ぶべきなのだと思う(そう来たか!)または、実際に教えを受けるべきなのだ。
ところで、九博を後にした私は天満宮の参道で写真を撮ったりしながら駅に向かった。参道の途中で何故かゲゲゲの鬼太郎ショップが!!もう少しで『水木商法』に引っかかるところだった(笑)中で買い物したかったが、おそらく出られなくなるので断念、途中で梅ヶ枝餅を買って博多に戻った。
それから仕事をして、その合間に、秋穂理事の「あきほ整骨院」を突然襲撃したりしたのだった(驚かしてごめんね!)
その後博多にとんぼ返りし、博多駅の近くでラーメンを食べ、空港で『めんたいも(芋)』(スイートポテトに明太子が入ったモノ)、明太子プリッツなどを買って東京に帰ったのだった。
阿修羅様、薬王様、薬上様、興福寺でお待ち下さい♪