実は今、新幹線の中でパソコンに向かっている。のぞみ5号だ。今、品川を出たところだ。新横浜で岡村氏(フォーラム実行委員長)と合流予定。
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1995年に私が開業した時、屋号は『貞山療術院』と言った。ご存じの通り、貞山公とは伊達政宗公の諡号だ。操体の発祥の地であり、私も縁深い仙台のご縁で有難く使わせていただいている。仙台を訪れる時は必ず瑞鳳殿に向かい、お名前を貸していただき、ありがとうございます、とお礼を言うのが私の習慣でもある。その後、1999年、全国操体バランス運動研究会に前日の打合せから参加させていただき、これを機会に三浦先生とも親しいご縁を持つことができた(私が先生に師事するのはその直後である)。新たな気分で、屋号を以前から温めていた『操体プラクティショナー TEI-ZAN』に変えたのである。
整体をやる人を整体師という。しかし私はどうもそれにならった『操体師』という言葉が好きではなかった。それで1998年辺りから何かいいのはないかと考えていた。
鍼灸師にせよ、いくら操体を勉強しているといっても「鍼灸師」という肩書きが「操体」を邪魔することもある。三浦先生は1995年位から『操体スーパーバイザー』を名乗っておられたが、何かこのような感じでいい名称はないかと思っていたのである(流石に「操体スーパーバイザー」を名乗るのは憚られたので、未だ以て「操体スーパーバイザー」は三浦先生只一人である)。
つまり、「操体プラクティショナー」の上に「操体スーパーバイザー」が存在するイメージだ。
この頃丁度海外に行く機会があり、ショッピングセンターのドラッグストアで、ビタミン剤を手に取って箱を眺めたとき、偶然に「Practitioner」という単語が目に入った。確か「あなたのHealth Practitionerに相談して下さい」という事が書かれていたのである。これにピンときた私は早速辞書で調べてみた。この言葉には『専業者』『専門家』という意味がある。医療関係の専門家という意味もある。そこでこの言葉を採用することにしたのだ。
それから何年か経って、東京操体フォーラムが発足した。
現在の体制になったのは2003年からだが、その後フォーラムは着実に成長し、参加している実行委員も学びを重ね、ますます磨きがかかってきた。そんな時実行委員の何人かに、『操体プラクティショナーって、操体の専門家を指すために私が考えたのですが、使ってみたいですか?』と聞いてみたところ、やはり操体の専門家をあらわす名称が無くて困っており、是非使いたいという答えが返ってきた。彼らはいずれも私の考えに賛同してくれ、私が考えていた認定条件を見事パスしているメンバーばかりであった。本当に素晴らしい操体の専門家達だ。
というわけで「操体プラクティショナー」という名称を操体の専門家として公の認定資格にしたいと考えた。そして、これを商標出願し、登録が認められたのである。時間はかかったが、これも一重に助けてくれた仲間のお陰だ。
操体プラクティショナーは、規定の講習受講(240時間以上)、認定のための筆記試験、実技試験を受け、国家資格、あるいは公認運動指導資格、または同等の社会活動経験を持ち、操体臨床経験、登録料、年会費の納入、認定更新研修の受講を以て認定、更新がなされる。協会の認定によって、「操体プラクティショナー」を名乗ることができる。ハードルは決して低くはない。
また、操体プラクティショナーの他にも社団法人認定の操体指導者資格を設立し、操体指導者の資質向上、国民の健康に寄与していきたいと思っている。この「操体プラクティショナー」という名称が、操体の専門家の呼称として根付くことを願ってやまない。それは操体指導者の、操体自体の質の向上に直結する。
なお、記念すべき第一期に認定された操体プラクティショナーは以下のとおりである。(50音順)
秋穂一雄(あきほ整骨院)
岡村郁生(操快堂)
日下和夫(北六甲操体院)
小代田綾
小松広明(松濤院)
平直行(大操体法研究所)
辻知喜(いずみ操体研究所)
友松誠(からだバランス調整院)
中谷之美(愉楽堂)
西田尚史(皮膚身堂 操体研究所)
畠山裕美(TEI-ZAN操体医科学研究所)
福田勇治(操体法 導軆力学研究所導體力学研究所)
森田珠水(操体健康医療研究所/森田珠水鍼灸治療院)
山野真二
猿飛佐助
山本明
これらの操体プラクティショナーをスーパーバイズしているのが、三浦寛(人体構造運動力学研究所、東京操体フォーラム理事長)である。
8月28、29日は大徳寺玉林院にて「東京操体フォーラム in 京都」開催
9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラム in マドリード」開催
2010年操体法東京研究会定例講習は9月から始まります。