東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

般若身経のキホン~その①~

今日から一週間お付き合い頂く、茅ヶ崎在住の岡村です。

残暑の厳しい折ではありますが、よろしくお願い致します。

 

さて、今回はブログのテーマ「般若身経の基本」と言うことで、改め

て「般若身経」とは何かを考えてみましょう。

 

まず操体法の創始者である橋本敬三先生は、NHKから発売されたDVD

の映像の中で、当時の温古堂に来院された女性の患者さんに向かって、

面白いことを述べています。

 

「まぁこれやってみなさい。やってみたらこんなところ来なくて良く

なるから、ウソかホントか、マァやってみることだな」と語る。

 

その時に渡したプリントには「般若身経~体の使い方・動かし方」と、

そのように書いてあるんですよね。

 

そこで意識したい現実もあります。。

まず前提として、私達の「からだ」とは、何なのでしょうね。

 

普段、何気なく動作していても、脳もっと言えば、神経細胞で繋がる

回路で制御されているわけで、よくよく考えると驚くことばかり。

 

脳波を調整しながら、外部環境からの様々な感覚情報を受け入れつつ、

自分自身に沸き起こる様々な感情、自己的な動機を認知して、瞬時に

適応する出力としての情動や行動を導き出します。

 

その出力に相当する主な要素が「運動」、簡単に言えば、全身で600

を超える筋肉を、協調的かつ調和するように動かすんですから。

 

それはともかく、橋本敬三先生の手渡していた「般若身経」プリント。

 

パッと見ただけでは、体操のすすめをしていて、体を動かしなさいと、

言っているだけのようにも思えますが、温古堂へ来院されていた患者

さんたちは、そもそも健康状態では無いのですから、様々な症状疾患

を抱えて来院しています。

 

それを現役の医師であった橋本敬三先生は、操体の臨床で診療します。

 

当時は「橋本式カックン療法」などと言われていたように、臨床後も

体操のようなプリントを手渡し、それこそ薬も渡さず、一見で体操の

ような療法を勧めているんですよ。

 

これが痛快で、斬新で、先を読んでいたというか、なんとも面白い。

この理由を、「般若身経」の記載のある書籍から紐解いてみましょう。

                           (続く)