では本題に入りますが、般若身経とは橋本敬三先生が生前「般若心経」になぞってからだの使い方、動かし方のルールを説いたものです。
からだの動きには基本8つの動き(前屈、後屈、左右捻転、左右側屈、自力では出来ないが牽引、圧迫)があり、その動きを行うには重心を安定させること(重心安定の法則、重心を移動させること(重心移動の法則)、連動の法則、そして一つの相関性(呼吸)があると示されている。
橋本敬三先生の各著書ではこの般若身経を「生き方の自然法則 」(息・食・動・想)とし、その中の「動」の項目の中で身体運動の法則として様々なやり方を示されています。
橋本敬三先生らしい実にユーモアなセンスで命名されていて、覚えやすい名称なのですが、これを理解する上で重要なのはからだの使い方、動かし方のルールであって、決してエクササイズ(運動)ではないということです。
私が操体を学び始める前に参加したフォーラムで三浦先生が参加者に対し「般若身経はエクササイズではなく、からだの使い方のルール」だということを何度も説かれていました。
当時は一般的に行われているラジオ体操との違い等を参加者に出来るだけ分かりやすく説明をされていましたが、私がこの般若身経を「からだの使い方、動かし方のルール」だということを理解するまでに膨大な月日がかかったのもこの違いを理解出来ていなかったからなのだと思います。
般若身経をエクササイズとして捉えてしまうと、どうしても日常の限られた時間の中でしかやらなくなる。やはり普段の日常動作からからだに学習させ浸み込ませていくことが大切なことなのです。
この違いを理解するためにも普段からこの法則性を意識してからだを使い、それを無意識に実践出来るように自身に学習させていくことが非常に重要なことなのだと思っています。
2020年秋季東京操体フォーラムは11月23日(月)勤労感謝の日 オンライン(zoom)開催致します。テーマは「操体法クロニクルズ」他。
登壇 三浦寛、半蔵、岡村郁生、瀧澤一寛、三浦寛幸、寺本雅一、畠山裕美他