温古堂へ来院した患者に、一人一人手渡していたプリント。
それこそ「般若身経」であった。
この「般若身経」は、「般若心経」と読むので、仏教では「般若心経」
と言う経典こそ有名であり、ほとんどの宗派で法事の時にお坊さんは、
これを唱えてくれることもあり、仏教の何かと関わっているのでは?と
疑問に思われることも多い。
このプリントにある「般若身経」の実際は、仏教は云々となど書かれて
おらず、きっと、温古堂に来た初診患者の中には、『私は、腰痛がひど
くてここに来たのに、なんで仏教のことを勧めてくるのかしら』なんて
少し勘違いしてしまう人も少なくなかっただろう。
そこで橋本先生は、「これ、仏教のお経にもたくさんあるけれど、一番
短いお経っていうのは『般若心経』って言うお経らしい。
だから洒落で、体の動かし方・使い方もたくさんあるかもしれないけど
一番シンプルにできないかって考えて、”心”を”身”に変えたんですよ」
と語り、真面目でありつつも、ユーモアあふれる医師であったようだ。