東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

般若身経そのキホン~その6~

「般若経(その2)」

 

1から3の次の四つ目に「体の動かし方」とある。

ここで、運動とは体の中心である”腰を中心”として安定させてやる

ことが大切であり、そのために上肢は、小指側(尺骨側)に、そして

下肢は、足の親指側(脛骨側)に力を入れて動くことを勧めている。

 

これがチャンとできているかチェックする簡単な方法は、靴底を

見ることであり、できていないと外側が減るからわかりやすい。

また家事や仕事等の作業中に、右利きの人は、右足を後ろに引いて

やることを勧めている。

 

このように「般若身経(その2)」も、1から4と分けてある。

そもそも、「生き方の自然法則、般若心経(その2)」は、操体を多少

なりとも学んだワタシ個人的に語るなら、ある意味、常識となる。

息・食・動・想、これに「環境」を加えたものは、密接に関連しつつ、

常に空間的に補いを伴って”変化する”ことが法則というものである。

 

「息(呼吸)・食(飲食)・動(うごき)・想(想念)・環(環境)」は同時相関

して相補性であるから、先に述べた「同時相関・相補性」となり、

この法則に気づいた生き方をニュートラルとしてきた、今における

貴方自身の、リアルタイム通信簿というのも過言ではない。

 

また初日に記した、橋本敬三先生の温古堂に来院した患者さんに、

手渡していたこの「般若経」のプリント、まぁやはりというか、

いつまでも「般若心経」と誤解されることが多かったようである。

 

運動生理学を学び、生理運動の物理を集約して、1番短い経典である

「般若心経」になぞらえて、ユーモアで1枚釣りのコピーとして配布

していたのだが、途中から誤解を招くため「般若経」と言う、名を

を外して手渡すようになったらしい。

 

ワタシも個人的に体験した、忘れられない経験がある。

操体の創始者、橋本敬三先生の真似をして「般若経」と書き込み、

ある患者さんに手渡したとき、「私は仏教に触れてはいけない宗派を

やっていますから!」強い口調で拒絶されてしまい、最初から説明も

見てもくれなかったという、今では甘酸っぱくも苦い思い出もある。