「般若身経(その2)」
1から3の次の四つ目に「体の動かし方」とある。
ここで、運動とは体の中心である”腰を中心”として安定させてやる
ことが大切であり、そのために上肢は、小指側(尺骨側)に、そして
下肢は、足の親指側(脛骨側)に力を入れて動くことを勧めている。
これがチャンとできているかチェックする簡単な方法は、靴底を
見ることであり、できていないと外側が減るからわかりやすい。
また家事や仕事等の作業中に、右利きの人は、右足を後ろに引いて
やることを勧めている。
このように「般若身経(その2)」も、1から4と分けてある。
そもそも、「生き方の自然法則、般若心経(その2)」は、操体を多少
なりとも学んだワタシ個人的に語るなら、ある意味、常識となる。
息・食・動・想、これに「環境」を加えたものは、密接に関連しつつ、
常に空間的に補いを伴って”変化する”ことが法則というものである。
「息(呼吸)・食(飲食)・動(うごき)・想(想念)・環(環境)」は同時相関
して相補性であるから、先に述べた「同時相関・相補性」となり、
この法則に気づいた生き方をニュートラルとしてきた、今における
貴方自身の、リアルタイム通信簿というのも過言ではない。
また初日に記した、橋本敬三先生の温古堂に来院した患者さんに、
手渡していたこの「般若身経」のプリント、まぁやはりというか、
いつまでも「般若心経」と誤解されることが多かったようである。
運動生理学を学び、生理運動の物理を集約して、1番短い経典である
「般若心経」になぞらえて、ユーモアで1枚釣りのコピーとして配布
していたのだが、途中から誤解を招くため「般若身経」と言う、名を
を外して手渡すようになったらしい。
ワタシも個人的に体験した、忘れられない経験がある。
操体の創始者、橋本敬三先生の真似をして「般若身経」と書き込み、
ある患者さんに手渡したとき、「私は仏教に触れてはいけない宗派を
やっていますから!」強い口調で拒絶されてしまい、最初から説明も
見てもくれなかったという、今では甘酸っぱくも苦い思い出もある。