東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

やってしまった

21日の祝日、福岡は最高の秋晴れ

私は車を洗車しようと行きつけのガソリンスタンドへ
洗車も終わり最後の拭きあげをしようと片隅の駐車スペースへ入っ時の事
屋根の支柱が少々気になりながらもいそいそと車を磨き上げていた。
前回のブログにも書きましたが、洗車はからだも使うし、目線のトレーニングにもなる。
車はピカピカ、気持ちもすっきり、最高の気分で車に乗り込もうとしたその時・・・

グワォン

鈍い音とともに私の気分をどん底にたたき落とす出来事が起こった。
颯爽と乗り込もうと開いたドアが見事に支柱に激突
ドアが見事に凹んでしまったのである。
し〜らけ鳥 飛んでいく 南のそ〜ら〜に 惨め惨め〜 である。
洗車が終わった満足感でつい支柱の存在を見失っていたのである。
やり場の無い怒りが込み上げて来るのであるが、
これは完全なる自分の不注意、誰かのせいにしようにもその誰かもいやしない。
呆然と車のドアを眺める私の脳裏にスペインでのとある出来事が思いだされた。

マドリッドでのフォーラムが終わり理事長の部屋でミーティングをしていたときの事
次の日の早朝にはホテルを出てバルセロナ行きのAVEに乗らなければ行けない。
私は理事長に「明日の朝は早いのでスーツケースのパッキングをお手伝いします。」
といそいそとスーツケースに荷物を詰め始めた。

話は少々脱線するが、操体法東京研究会の講習会の講習後の室内の清掃は
我々受講生がみんなで手分けしてやる事になっている。
ひとりが掃除を始めると周りのみんなもつられて掃除をし始めるのだ。
(私はこれを掃除の同時相関相補連動性と読んでいる。)

話を戻す。今回もやはりその場にいた全員が手分けして理事長の荷物を詰め
後はスーツケースを閉じればパッキングは終了と言うところまで作業は進み
「あっ!」と言う間にパッキングは終わったかに見えた。
そこで安心した私達はミーティングも終わり各自の部屋に戻っていった。

ここで終われば師匠想いの実行委員達という美談で終わるのであるが、
ここで終わらないから今回のブログのネタになってしまうのである。

その後、夕食に向かう為にホテルのロビーに集合した時に、畠山常任理事から
理事長のスーツケースが閉まらなくて、全部最初から詰め直したという話を伺った。
私達はこのまま閉めれば閉まるものと勝手に思い込み実際に閉めてみなかったのだ。
理事長がロビーに降りて来た時にお詫びに行ったところ当然の事ながら教育的指導が入る。

「パッキングしてやると言うから黙って任せておいたのに、結局最後まで出来ないのであれば
やらない方がマシだ。フォーラムが終わってホッとして注意が散漫になっているんじゃないか。」

考えてみるとフォーラムは終わったとはいっても、まだ今回の旅行の行程の
半分が終わった頃である。もしここで気を抜き注意力が散漫になっていたら
合わなくて良い事件に巻き込まれる恐れすらあったのだから全く弁解の余地はない。
第一やると言った仕事をやり遂げられないというのはプロ失格である。
これは何もスーツケースのパッキングだから仕方が無いという問題ではなく、
日常生活の全て、私達がプロとして行っている臨床の場に関しても同じ事が言える。
理事長はそれを知っているからこそ私達の過ちを責めそれに気付かせてくれた。
それなのに性懲りも無く私はまた今回も同じ過ちを繰り返した。

我ながら情けない。

今回の教訓は私の車のドアの傷とともに私のこころにも深く刻み込まれた。
この傷はこのまま修理をせずに乗り続けようと思う。

ちなみにスペインでは路上駐車のスペースをあける為にバンパーを当てる事は
日常茶飯事らしく恐ろしく高級な車ですらバンパーボッコボコで走っていた。
たとえ今回の傷が入ったとしてもスペインだったらまだまだ綺麗な方だ。

秋穂一雄


新刊情報:皮膚からのメッセージ 操体臨床の要妙Part Ⅱ(三浦寛著)、たにぐち書店より発売。 
11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。