東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

音楽療法

おはようございます。
鹿児島での朝を迎えました。
幸い天気もよく、桜島を眺めつつの第二弾。


音楽と発声についてというと、
研究している分野もあるだろうと思い調べてみました。
まず思い当たるのは一つ。音楽療法です。
図書館でも書店でも、音楽コーナーでは見かけますね。


まず定義として、
音楽療法では、セラピストが音楽、音楽活動のいろいろな機能を意図的に使って、非音楽的な目標を達成することに主眼がおかれる。音楽はあくまで媒介、きっかけとして使われるのである。


理論書ということもあって、フォーラムでやったような一音ごとのききわけというのは載ってなかったのですが、たとえば

音楽療法において、自分の好きな音楽が与えられるとき、聴く音楽の種類を問わず、常に末梢血管の拡張と緊張低下が引き起こされることが明らかにされている。
(中略)これらは快感情にもとづく生理的反応だと考えられている。

音楽を聴くことによって、さまざまな心理的反応すなわち感情反応が起こる。(中略)一番深いところには生命的感情があり、次には快・不快の感情がある。

音を用いて何を表現しようとしているか


器楽による演奏、鑑賞や歌唱によって心身の回復をはかる。
近い形とすれば、歌唱のほうですね。


歌唱の目的、効能
1発語の矯正、回復
2強力な発散と身体的快感
3自信の回復
4体験世界の拡大

歌唱は身体アクティヴィティであることと、意味のある音声(言葉)が伴われることを特徴とする。つまり、歌では、旋律を歌うことと歌詞(言葉)を表現することが一つのものとして合体している。

器楽の場合は、
良い音を出すことと、正確な音程をとれることが必要になる。

対して、
歌は、自分という楽器を使って、いかに歌詞(言葉)を表現するかが最重要課題になる。

つまり、音楽療法における歌唱は、音程よりも発声の方が優先されるようです。
ただ、重要視されているのは、快適感覚を味わえるかどうかということです。


別の本によると、
言語の音を区別して、別の音とするのは、音自身のもっている性質というよりは、その音を聴き、あるいは使う人の心の中での心理的のはたらきであります。
ということです。


研究の余地が大ですね。
詳細はいずれまた。



辻知喜


主な参考図書:

「標準 音楽療法入門」  日野原重明監修

「古代国語の音韻に就いて」  橋本進吉