東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「時感」と「空間」その2

以前、三浦先生から「時感」についてお話をして頂く機会がありました。

この「時感」とは「自分の命の為に費やす時間であり時を刻む時間ではない」と三浦先生は言われている。
私は最初にこの「命の為に費やす時間」という言葉を聞いた時にその意味をあまり理解を出来ずにいました。その理由は簡単で以前の私にとって時間とは生活空間の中の時間であり、己の命の為の時間とは決して言えなかったからです。
学生時代、勉強をする事が大の苦手だった私にとって学校の授業はとても長く苦痛な時間でその流れで放課後に何となく部活をして遊んで帰るというサイクルで生活をしていました。何となくでは時間を「浪費」しているだけですよね!やはりこういう意識感覚で時間を使うのはとても、もったいなかったと思いますし、少しでも自分の命の為に時間を使う事ができていたのなら、もっと学校を楽しめていたのかもしれませんね(笑)

では、どうすればこの「時感」という空間を上手く作ることが出来るのでしょうか?
最近私は1日に自分と対話する時間を30分、自分の体と対話する時間を30分、そして自分が学んでいる事を思考する時間を30分作っている。それを毎日多少時間が短縮されても「継続」していく事を重視し、日々取り組んでいます。
その中で少しずつですが分かってきた事があります。それは己の中には「自我の心」と「真我の意識」が存在してあることです。
この「自我の心」とは己の我の事をいい、つまり欲の心です。「今日は〜したい」等が良い例です。私はまだまだ未熟なので意識があっちに行ったり、こっちに行ったりしてしまいます。ただ「真我の意識」を上手く使えるようになってくると欲の心のコントロールが出来るようになり、「時間」が「時感」へと徐々に変わってきました。そうすることで「時間」がより充実した空間になってくるのです。

話が少し飛んでしまいますが、ある時本屋に寄り立ち読みをしていた時にふと私の目に飛び込んできた本がありました。その本とは【「一人時間」を愉しむ生き方、暮らし方】 川北義則署で一人の時間を楽しむ機会が多くなった私にとって、とても魅力的な本に見えたので購入してみました。その本で気に入ったタイトルがあったので紹介させて頂きたい。
「寂しさを味わうのは快楽である」
ここでは「寂しさの源は孤独であり、その絶対に動かせない事実がものを考えさせ、人を成長させる」と書かれている。
この本を読んでいると三浦先生が以前私に言って下さった言葉がフィードバックしてきました。
「一人前のひとりぼっち」という言葉です。
この言葉の意味を簡単に説明すると一人の時間・空間を愛し、楽しみなさいという意味で私はまだまだ半人前だがこの言葉の意味は何となく理解できました。
このことから三浦先生もこの本の作者も共通して自分の「時感」を持っているのが分かります。
自分のやっている事を追求していく上で如何に一人の時間・空間を作り、自分の心と対話していく事の大切さが少しずつですが理解出来るようになってきました。
「時感」を作る方法として「孤独」を愛する事と一人の空間を楽しむ事、そして意識を使う事なのだと私は思います。