東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「時感」と「空間」その3

私は日常の生活空間や臨床、すべての空間の中に「調和」というテーマを持って生活しています。
「調和」という字を辞書で調べてみると矛盾や衝突がなく、まとまっていること、と書かれていたのですが私の言う「調和」も自分の心、周りの環境、そして全てのものをありのままに受け入れることです。その心持ちひとつで人や物に対してイライラしたりする事が無く、心と体がとても気持ちの良い状態でいられます。そうすると徐々に波動の荒い言葉を口に出さなくなり、生き方も変わってくるのが実感出来るようになりました。
しかし、本当の意味での「調和」とは私が一言で語れるような簡単なものではなく、もっと深いものだと考えています。それを理解する為の日々の学びであり、誰かに教えてもらうのではなく己の気付きによって得ていく物なのだと思っています。私は幸いな事に三浦先生をはじめとした臨床家としてだけでなく、一人の人間としても尊敬できる人達に囲まれ勉強しています。自分のテーマを深く理解していくために偉大な先輩達の生き方、勉強する姿勢から学びを得ているのですが最近、自分との「意識」の違いに気がつくようになったのです。私の意識は日常の生活空間の範囲内での意識なのだが先輩方の意識はその空間を超越した「ブッ飛んだ」意識なのです。「ブッ飛んだ」意識とは私なりに表現させてもらうと意識のベクトルが目に見える空間ではなく、目で見る事が出来ない空間に向いている意識なのです。この意識を持っている人達は共通して生活空間だけで生きているのではなく、「自分の意識の空間」の中でも生きているのです。つまり自分の「時感」を持っていて、その空間の中で自分の学びを育んでいるのです。では自分の意識をこの「ブッ飛んだ」意識にするにはどうすれば良いのかを考えていくと、一度己が生きてきた中で形成した「自我」の心を意識と切り離す必要があります。そして目には見えない不可視な物に意識を向けるのです。そうすると自分の意識が不可視なものと繋がり徐々に意識が変わってくるのです。口で言う程簡単な事ではありませんがそれが出来れば欲の心を抑制し今までとは違った自分の空間を作れると私は思います。

3日間「時感」と「空間」について書かせて頂きましたが私がこの時感を体感していく中で「一人の空間」がいかに大切なのかが分かりました。この空間をこれからもっと大切にしていきたいと思います。

明日からは橋本敬三先生の語録を私なりに噛み砕いて書かせて頂きます。