操体の学びではからだと良い関係を築いていくために大切にしていることがいくつかあります。
言葉や文字もその一つで、例えば私達が体を「からだ」と表記しているのはからだが表現していること、そしてそのメッセージを受け取っていくために必要なことだからです。
発する言葉や言語は伝達手段として正確に認識していかなければならないものですが、それをどのように表現していくかでその人の感覚の世界や考えていることが何となく垣間見えるような気がします。
そして今回のテーマである「ふれる」というのも文字にしていくと、その人がどういった意識で身の周りのものを向き合っているのかが見えてきます。
「からだに触る」と「からだに触れる」。もしくは「からだにふれる」
この3つを文字にしてみると明らかに違いがあるように感じます。
臨床の中でこれらの意識でからだと向き合い実際に触れてみてもからだがみせてくれる世界とそのメッセージ性も全く異なる。
こういったことは些細なことかもしれません。
しかしひびきが全然違ってくるのです。
そのちょっとしたことが自分の思考のスイッチを変え、そしてからだと仲良くお付き合いしていくために必要な感覚の世界の入口のように感じています。