東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

届く言葉(286p)
『届いたのは言葉のコンテンツではなく、言葉を届かせたいという熱意です。それは僕の脳ではなく、皮膚に触れた。』
いいですね。この最後のところにジーンと来ました。シビレました。(身体・言語・感覚というものが分かっている人の言葉だと痛み入りました。)
この文章の数行前には、
『表層的なレベルでは、まったく意味がわからなかった。でも、その文章を書いている人の「わかってほしい」という熱ははっきり感知できた。ほとんど襟首をつかまれて、「頼む、わかれ、わかってくれ」と身体をがたがた揺さぶられているような感じがしたのです。』
さらに、数行後には、
レヴィナスの本を開いた瞬間に、僕はレヴィナス哲学の本質的なところに「がつん」と頭をぶつけたのです。言葉の意味がわからなくても、その書物が書かれた歴史的文脈を知らなくても、そもそもフランス語がよく読めなくても、「届く言葉」は届く・・・』
とあります。
私は、自分が初めて橋本先生の『生体の歪を正す』に出逢った時の事を思い出しました。確かに「届く言葉は届く」のです。
そして、三浦先生がよく言われる様に、「からだに通る言葉」というものも在ります。
からだは言葉を認識するのです。
臨床の将にその瞬間に(適時に)掛けられた、慎んで選択された言葉は、からだに通るのです。


半蔵