東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

感謝⑥

心の傷を感謝で受け容れる 

 

 我々人間は自我という過敏なものを持っている。 それは傷口のようにいつも開いていて生々しい。 それは触れられると痛む心の傷でもある。 ちょっとした言葉、ちょっとした仕草・・・・・・相手は自分に何をしたか気づいてさえいない。 だが、確実に自分の自我に触れたのである。 そして、それは必ず相手に責任があると考えてしまう。 相手が自分を傷つけたのだと ― 。

 

 そんな心の傷口をいつも自分で持ち歩いている。 自我とともに在っては、自分の存在自体が一つの傷口になっている。 実際に他人は誰も自分を傷つけることになど関心はない。 誰も他人を積極的に傷つけようなどと待ち構えてはいない。 それどころか誰もかれも、自分自身の心の傷口を保護することに懸命だ。 そんな余裕はない、誰に他者を傷つけるエネルギーが残っていると思う? 

 

 だがそれでもなお傷つくということは起こる。 何故なら自分に傷つく用意ができているからだ。 文明社会では誰もが心に傷つく瀬戸際に立っているのである。 だから、いつも自分の傷口に目覚めていなければならない。 それが大きくなるのを助長してはならない。 そうではなく癒されるように努めるべきだ。 

 

 それは一つのトータルな存在として動くことである。 何が起ころうと全面的にものごとを受け容れるということを試してみるとよくわかる。 たった一日だけでいい、まる一日の間、すべて受け入れてみるのだ。 

 

 誰かが自分を侮辱する・・・・・・、ただそれを受け容れる。 それに反応してはならない。 そしてどんなことが起こるか見ていれば何かが起こる。 突然、自分の内部に今まで感じたこともないようなエネルギーが流れ始めるのを感じるだろう。 

 

 誰かが自分を侮辱する・・・・・・と、自分の弱さを感じ、心が乱される。 これにどう復讐しようかと考え始める。 あいつは自分を見下した・・・・・・! 今や自分の中では、あれやこれやの感情がぐるぐる動いて、幾日もそのために眠れない。 終には悪い夢さえ見ることだろう。 我々は一生をこうした小さなことのために生命エネルギーを浪費している。 ただ誰かに侮辱されたというだけで・・・・・・。 誰もが自分の過去を振り返ってみると、いくつかのことを思い出すだろう。

 

 ただの一日でいいから、起こることに反応したり拒否したりしないで感謝して受け容れてみる。 そうすればかって知らなかったような新しいエネルギーの高揚を知ることができる。 そしてひとたびそれを知ったら、自分の人生は確実に違ってくる。

 

 

2017年秋季東京操体フォーラムは、2017年11月23日(木)に開催致します。

テーマは「生エネルギーと性エネルギー」です。

2017年秋季東京操体フォーラム速報