相も変わらず大阪に暮らしていますが、僕の住んでる堺というところは歴史に興味のある方には魅力的な街らしいですね。
僕は全くその方面の教養も欠落していまして、テストでもビリばっかりでしたので、実行委員のメンバーに堺について逆に教えていただいたりしています。歴史に対して現実感が湧かないんですね。「もう過ぎた事なんだから、気にするなよ。」と言って歴史好きの友人を怒らせた事があります(笑)。
今年は平城遷都1300年祭って言うんですか、いろんなイベントがあるようで、あちこちから観光客が来られているらしいですね。疎い私は、あの小朝師匠に似ているキャラクター「せんとくん」しか知らないんですが、一つだけ興味のあるイベントが「なら国際映画祭」です。奈良在住の映画監督、河瀬直美さんが顧問をされています。
前もってお断りしておきますが、この映画祭は、東京操体フォーラムin京都が京都大徳寺で行われます8月28日(土)、29日(日)と同じ日に開催ですので、これをご覧の方は間違えて奈良に行かずに、京都にお越し下さいますようお願いしておきます。当たり前ですが、僕も京都でお待ちしています(笑)。
河瀬さんの映画を初めて観たのは、もう15年位前になるでしょうか。育ての親のお祖母さんとの関係を題材にした「かたつもり」でしたが、映画を創るという事に対する今までの考え方を吹っ飛ばしてもらいました。
お祖母さんがカメラを構える河瀬さんに向かって「私のことを好いてくれてるか」と問いかける場面は何度見ても心が揺さぶられます。
技術論や方法論でなく、何より撮る方と撮られる方の関係性が画面に写り込んでしまう。
写らないはずのもの、見えないものが、確かに在ると感じられて、それが観る人間の心を動かしてしまう。この映画に限らず、いい映画というのはその現場でお互いが影響しあっている様子がフィルムに焼き付けられているんだなと改めて思います。人が写っていなくても、テーブルの上のグラスだけで引き込まれることがあります。
撮り手はただ機械を操作しているだけじゃない、見えないし触れていないのに、レンズの先に在るものと影響しあって変化を起こし、現象を変えてしまう。
どれだけお互いの関係を観て取ることが出来るのか、感じ取ることが出来るのか、これはきっと臨床でも同じだなと思います。
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山本明