東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

ホルモンと性

6日目です。今日はホルモンから性欲を考えてみたいと思います。よろしくお願いします。
ホルモンの作用は「発育成長」「自律神経機能の調整」「内部環境の調整」の三つといわれています。ホルモンの中で、性欲に関わるホルモンを性ホルモンと呼びますが、この性ホルモンは、下垂体・性腺(卵巣・睾丸)・副腎皮質などで分泌されています。これら内分泌腺から分泌されているのが、アンドロゲン、エストロゲン・プロゲストロン、ゴナドトロピンなどがあります。
SEXをするとき、感覚系に神経情報として伝わり視床下部に伝達されますが、この視床下部、辺縁葉には神経ホルモン産生ニューロン(神経細胞)という、脳の下垂体や生殖腺の働きを制御するメカニズムが存在しています。視床下部と生殖腺から分泌されたホルモンがフィードバックされることで、性欲と生殖行動は神経情報として発現すると同時に、ホルモン情報(液性情報)としても発現するそうです。
この少し判りにくい脳内のニューロンネットワークは男女の性差の重要な位置を占めているそうです。
男性は脳内の視索前野部分にあるニューロン(神経受信ユニット)が男性ホルモンのアンドロゲンへの感受性を持っているため、アンドロゲンを受信すると、中脳や延髄の運動系神経に命令を送り、オスに生殖行動を発現させるそうです。
女性のホルモン・ニューロン・ネットワークはオスに比べて相当複雑になっているようです。メスの場合、性行動の制御は旧皮質の視床下部腹内側核で行われ、脳に女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステトロンが働くと、その感受性ニューロンが活動を始め、今まで支配されていた上位の脳から抑制を解放し、中脳・脊髄周辺の感覚系・運動系のニューロンが敏感になり、オスとの接近で容易に性行動を起すというメカニズムになっているそうです。女性はその他にも、性中枢の視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌され、下垂体から性腺刺激ホルモンが分泌されます。このホルモンが体液を通じて卵巣に達し、卵巣に排卵などを促しことになります。そして卵巣から分泌された卵胞ホルモンや黄体ホルモンは同様に体液を通じて、下垂体や視床下部に情報をフィードバックすることで、循環機能で女性の性機能を調整しているそうです。ですが実際には、女性の性は複雑で完全には科学的に解明できていないようです。人間の性欲・性行動は脳の「性中枢」やホルモンの影響を受けてはいるが絶対的ではないということになり、人間の性欲(大脳性欲)にとって、性ホルモンよりも相手から受け取る視覚・聴覚・触覚といった感覚で大脳皮質が興奮、性中枢が働き性欲・性行動を起すという考えになってきているようです。
性はからだの様々な能力が働き、SEXは神秘的なことなのかもしれませんね。
ありがとうございました。

東京操体フォーラム in 京都2011は8月28日(日)に開催されます。北村翰男(奈良漢方治療研究所、奈良操体の会)、三浦寛

Sotai Forum in Madridは、9月24日、25日の二日間、マドリードにて開催されます。三浦寛

2011年秋季東京操体フォーラムは11月6日(日)、東京千駄ヶ谷津田ホールにて開催予定です。