東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

本能と性欲

5日目の本日は、同じ相手でもすごいきもちがよい日や興奮する日、気持ちがのらない日など様々なからだの反応が日によって異なるのか本能という視点から書いてみたいと思います。よろしくお願いします。
性・SEXに対する本能的な欲求を司っているは、脳の間脳・視床視床下部に、「性中枢」があるらしいということが分かりつつあるようです。この視床視床下部は大脳と中脳の間に位置し、辺縁葉と呼ばれ、この辺縁葉には、視床視床下部・脳梁・扁桃核・下垂体などが属しています。この辺縁葉を旧皮質ともいい、ここでは生物の基本的生理現象・本能といわれる、食欲・性欲・睡眠欲及び自律神経(内臓神経で不随意なもの)をつかさどっていて、爬虫類のほとんどはこの部位で脳が出来上がっているようです。
旧皮質にある本能といわれる「性中枢」は「性欲の周期性」にも深く関わっているらしく、いわゆる動物界の発情期という現象をつくり上げているようです。
Ellisは性欲の周期を、エロティックな夢の日記または自慰の記録にもとづいて、その周期の中間期と月経期にピークが見られることを報告しています。また、Udryらは未婚女性と既婚女性の性交頻度とオーガズムとの月経周期との関連を調べ、未婚女性では月経周期の中間に性交頻度が高まることを報告し、性周期のステージで性欲の強さが変動する可能性が示されていました。その他にも満月と性欲について、人間の生物学的構造により月の引力によって潮が満ち引きするように、人間の体内にある水分も影響を受けるために、満月から新月へ月が欠けていく期間は性欲が減少し、新月から満月へ月が満ちていく期間は、性欲が活性化するというような報告もあります。
この自然界に生かされている僕たちの性欲には本能として備わっている部分もあり、本能は誰もがもっているはずです。本能以外の部分である辺縁葉を包み込む形で発達した、新皮質・大脳が人間は発育状況によって発達するという他の動物にはない特徴を持っているのです。この大脳の発達により、理性や知識・感情など大脳の発達によりコントロールが可能となっていくことで、本能の性欲から、性を楽しむ・からだのコミュニケーションなどといった若いころとは違った快の楽しみ方に変化していくのかなと思いました。
ありがとうございました。

東京操体フォーラム in 京都2011は8月28日(日)に開催されます。北村翰男(奈良漢方治療研究所、奈良操体の会)、三浦寛

Sotai Forum in Madridは、9月24日、25日の二日間、マドリードにて開催されます。三浦寛 他

2011年秋季東京操体フォーラムは11月6日(日)、東京千駄ヶ谷津田ホールにて開催予定です。