東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

石見グランフォンド2012

昨年の6月から野球の補助トレーニングにと思い立ち、膝に負担がかかりにくいという理由から、自転車に乗る様になりました。
車種としてはクロスバイクを選択し、フォーラムでも岡村実行委員長がクロスバイク乗りだということですが、世の中のブームに乗っかる形で“バイク乗り”になっちゃいました。
バイクにも色々種類があり、一般的にはドロップハンドルの「ロードバイク」がよく乗られており、ロング・ライドにも疲れにくく、快適なのがロードの特徴でしょうか。
後はスタントや悪路を走るのに適しているBMXもありますが、長距離を走るのには向いていません。

で、私が敢えて選択したのは初心者からいきなりロードもこっぱずかしく、いつまで続くかも分からない物に数十万も投資するのもどうかと思い、真ん中を取ってクロスバイクにしたのです。今考えれば最初っからロードにしときゃ良かったのですが、ここはそれ、男のショーも無い意地といいますか、トコトン乗り倒したろと思い、今に至っております。
仕事の関係もあり中々、毎日乗るというわけにもいかず、殆どがSunday Rideで、普段走らない分、週末は大体100Km位を走る様にしています。
私が住んでいる宍道町は幸いなことにバイク乗りにとっては最高の立地条件で、10分も走れば激坂Rideや湖畔Ride、山あり海ありと、コース選択には困りません。ご近所には先輩Rider方もいるので、お誘いを受けて走ったりと、すっかりエコな出雲人になっております。

約一年間走ってみて気が付いたのは、思っている以上にストレス解消になっていることです。ランニングをしていた時は、ランニング中に後何キロかなぁとか、様々なことを思い巡らしながら走るので、割とストレスになったりするのですが、ことバイクに関しては私みたいな素人でも平地で約30Km前後のスピードで走ると、心地よい緊張感があります。下りになると50Km位のスピードが出ますので、気を抜けないのです。よそ見をしていたり、ボーッとしていると、思わぬ大事故に繋がったりもしますので、常にバイクだけに集中出来るので、無になると言いますか、頭を空っぽにして集中出来るので、心地よいリフレッシュになるのです。長距離を乗っているとお股が痛くなったりと、オマケもありますが、スッカリ虜になってしまったようです。

そんな私にご近所の先輩Riderから、大会があるから出てみないか?とお誘いを受けました。その方も大会に出場したことは無いとのことで、まぁ、そんなにしんどくないそうですから出ましょうよ。とのお誘いに特に断る理由も見つからず、いいっすよ!と気軽に返事をしました。
それが、今回のタイトルにもなっている、先月行われた、島根県世界遺産石見銀山周辺を舞台とした「石見グランフォンド2012」という大会でした。
山陰のサイクリストでこの大会を知らない人は居ない位の大イベントです。今年も東京や九州から多数の参加者になり、610名の参加者だったようです。
私も詳細を知らずに返事をしたものの、コース等が気になって、YouTubeでコース確認をしてみて唖然・・・私は完走出来るのだろうかと大きな不安に苛まれながらも、ペダル回せばとりあえず前には進むだろうと、いつもながらの脳天気振りで当日を迎えました。
やや肌寒いながらも雨が降ることは無いとの予報なので、良い一日になれば良いなと思いつつスタートしました。因みにこの大会はコースが三種類あり、最長がとんでもない山岳地帯を激走する石見山塊往還200Kmコース三瓶カットコース190Km、そして私がエントリーしたショートコース140Kmの3コースです。途中までは全員が一緒なコースを走りますので、普段はそんなに人が居ないだろうと思われる町の中を、派手なジャージを着た人々がたくさん走っているのは、かなり奇妙な光景だろうと思いつつ走っておりました。
すると、沿道の方々が旗を振ったり、手を振りつつ「がんばれ〜」と声をかけてくれるのは何だか、こっぱずかしさと同時に、踏み込む足に力が入るのが分かりました。毎年恒例の行事なので、地元の人はよく分かっていて、沿道に出て応援をしてくれるのです、しみじみ応援って力もらえるなぁと感じつつ、走りました。

最初のエイドステーションで、地元産の蕎麦を食べ満足しつつ、いよいよ本格的なヒルクライムへと向かいました。
6〜8%クラスの激坂を延々と上り続けるコースがこの大会の特徴だそうで、そんなこと一言も聞いていなかった私は何度も心が折れそうになりながらも、う〜だまされた・・う〜だまされたと念仏を唱える様に恨み辛みの言葉を吐きつつ、一番軽いギアでひたすらハムスターの様にペダルをこぎ続けました。
坂の途中で大の字になって休憩している人々を見ると、降りて歩ければどれだけ楽だろうか・・休もうか・・イヤイヤ!男としてのプライドがぁ!などと自問自答を繰り返しつつ、ひたすら坂を登り続けると、頂上付近にメッセージボードを持った大会関係者が、「8%クラスの坂はここで終わりです」と書かれた看板を出していました。
地獄に仏、距離的には後、半分位残っていましたが、何だかゴールした位に安堵しました。
しかし、そんな安堵も束の間、前半の激坂で体力を奪われた身体はちょっとした坂でもヒーヒー言いながら後半も、こぐこととなりました。
一緒に走っていたご近所様にも、このコース考えた担当は絶対サドだよ!鬼!悪魔!と最後までぼやきつつ、ゴールしました。最後あたりは疲れもピークで黙々とこいでいたら、割と早くゴールした様でした。
会場で最後のチェックをした際に、「来年もお待ちしてます♪」と受付嬢に言われましたが、私の顔は確実に引きつっていました・・・正直、二度と勘弁・・

と、それから一ヶ月経った今では、坂を探して自転車を走らせています。苦しいこともあったけど、今聞かれたら走ってみようかなぁという気持ちになっているから不思議です。
来年は今年よりも楽に走りたいな、楽に走れる様な身体を作って行こうかなと前向きな気持ちになっている自分に、コース設計はサドだけど、参加しようとする私らは明らかにマゾだなと妙に納得した私でした・・・

三浦寛 操体人生46年の集大成 "操体マンダラ Live ONLY-ONE 46th Anniversary"は2012年7月16日(海の日)に開催致します。

2012年秋季東京操体フォーラムは11月18日(日)津田ホールにて開催決定