海外フォーラムでの愉しみの一つに、見知らぬ土地での出会いがある。
何も出会いとは人ばかりではなく、私にとって大きな感動があるのは、
『場所』でしょうか。
有名な場所もあれば、誰も気付くことがない位にマイナーな場所など、
その人の感性によってそれは違うのです。
場所には当然建物も含まれますが、その国独特の感じがあり、妙にシ
ンミリしたり、テンションが上がったりと、ホント不思議なものです。
私が未だ二十代の頃、ある方に「若いときの苦労は買ってでもやるべ
きだし、ジジイになってからでは出来ないことが人生にはたくさん有
るぞ!」と言われ、「海外旅行もその一つだ!借金してでも海外は行
っとけ!その借金は年をとってからの大きな財産になるぞ!」と言わ
れました。
ウブな私はその言葉を丸ごと信じ、アメリカ本土を手始めとして、
ニューカレドニア、中国、東南アジア、変わり所としてはサハリン
(旧樺太)等々、仕事も多いですが、遊びでも各地へ行きました。
現状、何の役にたったかと言われても、即答出来ない位なので、まぁ
ご愛敬ですが、海外へ行くぞ!が、東京へ行くぞ!よりも気楽な心境
なのが、まぁ、所詮、人間何処でも生きていけるか〜的、お気楽さを
生んだ土壌になっているのかもしれません。
私にとっての『スペイン』『トルコ』は発のヨーロッパで、最初は
正直、余り気乗りしなかったのですが、行ってみてとっても好きに
なりました。
ヨーロッパという、歴史がある故の、中世期のヨーロッパ各地での
戦争や、民族間の対立など、世界史で習うヨーロッパはダークなイ
メージしか私の中になかったのが、その大きな理由でした。
ヨーロッパ移民の国、アメリカが初めての海外旅行だったので、尚更、
あの脳天気でエンターテインメントのお国、アメリカの軽〜い雰囲気
とは違う、重々しい感じが、どうしてもヨーロッパにはあったのです。
ですから、そんな私にとって、底抜けに明るいスペインの地は最適だ
ったと言えます。アジアとヨーロッパのクロスロード、トルコも、
初めて行ったのにも関わらず、懐かしさを感じさせるとても魅力的な
場所でした。
そんな私が感じるトルコ&スペイン素敵な場所ベスト5です。
第五位:マドリッド・マヨ-ル広場(PLAZA MAYOR)界隈
私にとってのマドリッドのイメージはこのマヨ-ル広場とサン・ミゲル
市場を中心とした、界隈です。最初にマドリッドに訪れた際に連れて行
ってもらって、インパクトが強かったということもあるのですが、マド
リッドの中心にあたる場所なので、観光客も多く、街の活気が一番感じ
られる地域です。
マヨール広場名物、インチキシリーズは毎年大うけで、少しずつ肥大化
している”小太りスパイダーマン”や”ディズニーキャラの大ネズミ”
等々、ここは中国か?と思うほどのインチキぶりで、笑えます。
広場中心のフェリペ三世の騎馬像も何故か、何度来ても記念撮影をして
しまいます。
このマヨ-ル広場とほぼ、セットで訪れるのが、スペインの美味しいも
のが集まっている、『サン・ミゲル市場』です。
まぁ、あるわあるわ、スペインの美味しいものが全て集まっているので
は?と思う位の食のワンダーランドです。色鮮やかな食材達、その場で
飲みつつ、食せる感じも最高です。ここは、毎回行っても愉しい場所ですねぇ〜
第四位:ラマンチャ地方、コンスエグラの風車群
ここは今年始めて連れて行ってもらった場所でした。マドリッドから約130Km位
の距離があり、地元の大悟君に車で連れて行ってもらいました。車は初心者なん
だよねぇ〜等と不吉な話しを聞きながら、若干の不安を覚えつつも、散々ハイウ
エイの入り口で迷い、ゲッソリしながら何とか辿り着きました。
このラマンチャ地方のコンスエグラという小っちゃな町は何だか、とっても良い
感じで、私的には何故かツボでした。
残念ながらヨーロッパ文学はサッパリなので、『ドン・キホーテ』と言われても、
安売りか?!位なイメージしかない私ですが、このコンスエグラの風車はあのドン
・キホーテの舞台になったと言われているようです。
風車の幾つかは中に入って、見学も出来るので、やたら関西訛りの日本語を喋り
まくる、店の名物おじさんを横目に、風車の中で暫し撮影会をしつつ、青い空と
コンスエグラの茶色な町が見事にマッチし、えも言えぬ風景として私の目に飛び
込んできました。町も含めこういう田舎の方が何だか味があるなぁ〜とつくづく思いました。
第三位:セゴビアのローマ水道橋
水道橋は日本でも阿蘇の”通潤橋”など、色々とありますが、セゴビアのローマ
水道橋はその規模も雰囲気も私の想像を凌駕していました。
世界遺産であることもさることながら、20,400個の石のみで出来た、全長728m、
163ものアーチから成る水道橋は圧巻の一言でした。
建築技術も十分でなかった1世紀後半に、既にこの様な建造物を作った技術力は
本当に凄いの一言です。
町も雰囲気よく、意外にブランドショップが数多く存在するのもミスマッチで面
白かったです。
第二位:トレド
ここは本当は一位といってもよいのですが、トレドも毎回訪れている、素敵な世界
遺産の街ですねぇ〜
トレドも毎回、地元出身、大悟君に案内してもらっているのですが、このトレド町
並みも素敵なのですが、一番の愉しさは地元出身者、大悟君ならではの、マニアッ
ク見学ツアーと言いますか、普通の観光客はまず、行かない場所へ行けることでしょうか。
スペインで二番目に頭がよい?と大悟君が言っている学芸員の友達に、
400〜500年位前のスペインの歴史的価値の非常に高い、貴重な革製の本
や、楽譜などを見せてもらったこともありました。
今年は、美術学校の中に入れてもらい、学校に居た、現役の教授の
方々に美術論を語って戴きました。数百年前の焼き物の割れた欠片
を参考にして、当時の製法を再現し、後生に伝える作業をしている
話しなど、貴重な話しを聞くことが出来ました。
今年は、風景が最高の場所があると、大悟君に言われ、とんでもな
い山の中を歩いて行き、着いた場所で思わず、どこが?と聞き返す
様な、今考えると笑えるような場所も、トレドならではですねぇ〜。
第一位:グランドバザール
で、一位がこれはまったく、個人的見解なので、お怒りはごもっとも
ですが、私にとっての愉しみ、イスタンブールの『グランドバザール』です。
オスマントルコ帝国時代の1461年から続く歴史的建造物で、時代と共
に増築が繰り返されたため、奥へ奥へと果てしなく続くまるで迷路です。
64の通り、22の出入り口に加え、3,600を以上の店舗がある、世界最古
で最大規模のデパートの一つです。
毎回行っているのですが、未だに全ての店舗を廻れていません。違う通り
が次々発生してくるので、深みにはまると、本当に迷子になりそうなのです。
何が愉しいって、幾ら値切って商品を買うかが、一番の愉しみです。
日本人は現地の人の言い値で結構買うみたいですが、ヨーロッパ系の
女性が交渉しているところを、横目で見ていると、結構なタフ・ネゴ
シエーターですねぇ〜。脇で聞いていると、交渉する気があるのだろ
うかと思う位、とんでもない金額を平気でぶちかましています。
あの我慢強いトルコ商人が速攻で、おととい来やがれ!的言葉を投げ
つけているので、よっぽどだと思います。
アンティーク系の商品以外は、殆どMade in Chinaではないかと思われ
るものが多いですが、交渉を愉しむのにはもってこいの場所ですね。
私的には最高にツボです。
あの雑然とした雰囲気と熱気は、一度味わうと癖になります。是非是非!