昨日の続き
最近、膝の痛みを訴える患者を診ることがよくある。 これを整形外科的に診れば膝関節炎という病名がつくのだろう。 そして、ひどくなると膝に水が溜まって、さらに膝関節の骨頭が崩れて変形してしまう。 最終的にはその骨を切除して、人工骨頭に替えなければならないようなことになる。
これは血液の循環不良を起因として、動脈に充分な栄養や酸素が運ばれてこなくなったからだ。 その影響で静脈には老廃物や炭酸ガスが溜まってしまい、その内臓の細胞の機能が落ちてしまう。 ただ機能の働きが落ちるだけでなく、異常な働きをするようにもなる。 それが糖の代謝異常だと糖尿病になる、そういった機能の低下、機能異常が起こるということだ。
陰陽五行説でいうと、血液の循環不良からくる消化器の不調、ことに膵臓の不調であるものと診断する。 ということは、膝関節炎は糖尿病の前兆であるという診方ができる。 しかし、この段階では糖尿病としての自覚症状も他覚症状もまだ出てこないという場合が殆どである。
こういった患者の体形を見ると、大抵は小肥り、もしくは肥満体となっていて、顔は黄色い色がでているが、陰陽五行説でいうと黄色は消化器の色である。 このように顔の色を見ることで、五臓のうちのどこを悪くしているのかというのがよくわかる。
ではなぜ糖尿病として出ないで、膝の方が悪くなったのかというと、五臓の疾患を、五臓六腑以外のところへ肩代わりさせているからだ。 それによって内臓が受けるダメージを防ぐことができるので、膝に症状を出しているということになる。
これは膝関節炎だけでなく、大腿骨や股関節炎や先天的な股関節脱臼とか股関節の骨がもろくなるペテルス病なども膵臓疾患の肩代わりする範囲であり、膵臓の病気に入ってくる。
明日につづく
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