東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

陰と陽(三日目)

12月になりました。 先生も多忙で走る?師走の到来です。

2015年冬季東京操体フォーラムは12月5日(土)6日(日)の開催です。

申込み期間を過ぎていても、 大丈夫かもしれません(笑)

その昔、「帝都物語」という 荒俣宏作の非常に面白い小説がありました。 映画化もされています。

陰陽道などのブームの先駆けとなった作品です。

さて、この中で、歌舞伎俳優で人間国宝坂東玉三郎泉鏡花の役で登場しています。

泉鏡花と言えば、幻想的な小説で有名ですが、 この中で鏡花は、易者として登場します。

「あたるもはっけ、あたらぬもはっけ」というのは 易者の決まり文句ですが、 実際に易では「八卦」を「はっけ」とは言わず 「はっか」と言います。

八卦と聞いて、操体を学んでいるとか 興味がある方はピンとくるでしょう。

8という数字は、操体に縁が深い数字なのです。

「からだの動きは8つきりしかない」 「オクタント」(8つの動き)

私が易を勉強し始めたのは、 橋本敬三先生が「桜沢如一氏の 陰陽弁証法が最高の理論であると知った」とあったからです。

「生体の歪みを正す」の233ページから数ページにわたり、 橋本敬三先生はこのように紹介しています。

「ここで日本人の陰陽弁証法を御紹介しよう。食養で知られた桜沢如一氏の「無双原理十二定理」というの である。 *無双原理とは宇宙が対応、交感、相補、親和性の陰陽秩序の構成を 有することを示す世界観なり・・・」

無双原理・易―「マクロビオティック」の原点

無双原理・易―「マクロビオティック」の原点

共産主義理論は入手できる限り読んだ。 今まで読んでもみなかった唯物弁証法なるものが、 前から知っていた桜沢如一氏の(無双原理)陰陽弁証法より一段下であって、 私はここで天地創造の日本神話を思い出し、 我が民族の優秀性に想到して、感無量なるを覚えたことだった。」 (同書391ページ)

また、橋本先生はシベリア拘留時、社会主義の中にも身を置いていますが 「レ!ニンやスターリンの著書をできるだけ集めて皆読んだ。 スターリン式唯物弁証法なるものも初めて知った。 そして東洋の易の哲学、陰陽弁証法の方が、 より一層高級で、無限界の実相は現象界にも普遍して いること、現象界では因果の法則が成り立っていることの確信を得た」 (同書411ページ)

と書いています。

橋本敬三先生の「救いと報い」の哲学は、 「後年この観の転換や不動安心の精神的経験は、谷口哲学(生畏の車、谷口雅春師所説)によって整理補強され、 桜沢如一氏の陰陽弁証法哲学によって強化された」(同書377ページ)として記されています。

陰陽弁証法は、操体の哲学にも影響を与えているのです。

なお、私は桜沢氏の陰陽思想には同調しますが、 近年の偏ったマクロビオティックに対しては 疑問を感じています。

たまに「操体やってるから、玄米食とかしてるんですか?」と 聞かれる事がありますが、 してません(すんません・・)。

どちらかと言えば

「からだの要求に従って」ということを選択しています。

2015年冬季東京操体フォーラムは12月5日(土)6日(日)の開催です。