おはようございます。
「感性」というテーマでお付き合いいただいている、今回のブログ担当も最終日となります。
3日前、NHKの二ュ―ス番組で、日本被団協が結成されて60年になると報じていました。今、被爆者の高齢化が進む中で「ノーモア ヒバクシャ」のメッセージを、どうやって次の世代に継承していくかが大きな課題となっています。
そこで、若い世代の人達にも戦争の悲惨さ、原爆の恐ろしさを識ってもらおうと、スマートフォンを使った新たな取り組みがされているようです。
これは、実際に被爆地である広島市に行って、専用アプリを搭載したスマホのカメラで市内を見てみると、71年前にその場所で何が起こっていたかを、知ることができるというものです。当時の悲惨な状況を写した写真、そして実際に被爆体験をされた方のビデオメッセージも見られるようです。
ここで大切なのは、実際にその場所に行って体感するという事なのだと思います。そこには、単に写真や動画を見るだけでは受け取れない、何かがある。その何かが、からだとからだと偕に在る生命記憶の領域にヒビキ、感性に訴えてくるのだと思うのです。
実際に、そのアプリの搭載されたスマホで市内を歩いた高校生の、その神妙な面持ちは、とても印象的でした。そしてインタビューに「教科書とかを読むより、自分で歩いて探してみる方が、頭の中にすっと入ってくる感じがしました」と答えていました。
やはり頭に詰め込むようにするより、実際にその空間で感じ取ることから頭に入ってくる方が、スムースに記憶に残り、活きた知識となるのだと思います。そして人としての大切な知性も高められ、戦争をしてはいけないのだという強い意志につながるでしょう。
そういえば、今年のノーベル文学賞は歌手のボブ・ディラン氏が受賞したようですね。ボブ・ディランといえば「風に吹かれて」という楽曲があまりにも有名ですが、この歌は反戦歌と呼ばれたり、アメリカ公民権運動の賛歌と呼ばれたりもしています。
歌詞の中に度々出てくる「答えは風に吹かれている」。これは、権威や欲得など自分達に向いた合理的思考の中に答えはなく、自分達が今呼吸していられる空間、自分達を生かしてくれているこの空間、その中に在る大自然の理を感じなさい、その叡智を受け取りなさい、と言っているようにも感じます。
一週間のお付き合い、どうもありがとうございました。
明日からは畠山先生の担当となります。
来週もどうぞ宜しくお願いいたします。
友松 誠。
2016年11月23日(水)勤労感謝の日
今季のテーマは「膝と進化した操体」です