東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

まるごと操体⑥~不可視~

それぞれの営みの中で、はじめに位置する息。

 

この空間から空気をいただくいということにおいては、選択の余地がないほど、環境そのものをいただいているといってもいい。

 

操体は呼吸の生かし方もそれぞれの分析法において変化している。

 

 

楽に問いかけた運動分析においては呼気を生かし、快に問いかけた感覚分析においては自然呼吸を生かす。

 

運動優位、感覚優位では呼吸の生かし方も変化する。

 

 

さらに、息と意識によって、その場にいない相手(からだ)との臨床が可能となることも学んでいる。

 

にわかには信じられないことも、不可視なものに意識を向けていくことで現象化してくる。

 

当たり前のように営んでいる呼吸も、この空間との循環において、生命全体で共有していると捉えれば、「からだ」の範囲はさらに広がってくる。

 

目に見える肉体現象の中にだけ「快」があるのではなく、わたしたちは内部感覚の範囲を越え、呼吸をとおして、からだがききわけている空間の変化さえも「快」としていただくことができる。

 

からだがききわけている空間の変化や感覚が意識となっていく。

 

 

空気が在ることの有り難さ。

 

吸気が入ることの有り難さ。

 

吸気が抜けていくことの有り難さ。

 

 

自分ごととからだごとは、空間との循環へと重なっていく。

 

 

不可視なるものにも、可視なるものにもつながり、重なっていくのが操体の健康学。

 

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