呼吸の重要性とその深さは現在も私の学びのテーマとなっていることですが、触れない臨床を学び始めた当時の私はまだその深さを知る由もありませんでした。
ある程度教わったことの範囲内でただ思い付きに任せて様々な問いかけをしていったのですが、果たしてそれが本当にからだの要求に適っているのか?あの時見た三浦先生のものに近づいているのか?
そんな葛藤と向き合う日々が続いていたのですが、それも次第に「この方向性で間違いない」と思える臨床の機会に巡り合えたのでした。
それは2年位前だったと思いますが、2,3回診たことのあるリュウマチ持ちの患者から遠隔での治療を依頼されたことがきっかけになったのです。
その患者にはそれまでの臨床の中で様々なアプローチをしましたが、何をしても「何をされているのかよくわからない」ということを言われていたので依頼自体にも驚きがありました。
しかし当時の私は触れないということを患者のからだが望んでいると思い、触れない臨床を引き受けることにしたのでした。
その時に私が問いかけた内容は割愛致しますが、結果的にその後の実際に触れる臨床の中できもちよさを聞き分け、自然にそれを口にするようにもなったのでした。
こういった経験が出来たことでそれからの私の臨床、そして学びの中でも「呼吸」というものを大切にすることが出来たのだと思っています。