おはようございます。
絵画の世界で、フィンセント・ファン・ゴッホは印象派を代表する画家として名高い。
そのゴッホも、世間から評価されるようになったのは没後だという。
生前のゴッホは、キャンバスに描く絵具にさえ事欠くような暮らしぶりだったという。
そんなゴッホを経済的に支えたのは、弟の画商テオドルスであり、ゴッホがテオドルスに宛てた送金の御礼の手紙や、絵具を送ってくれるよう依頼した手紙は、今も残っているという。
この絵具を依頼する時の手紙には、絵具の色具合や数量が事細かく指定されていたという。
ゴッホの作品の魅力、その一つには色彩表現の豊かさがある。
ゴッホの情熱が、そうさせたと言う人もいるだろう。
それもあると思うが、弟に絵具を依頼した時の細かな指定を考えると、光や色と色の組み合わせや線のタッチによって変わる印象の度合いを、研究しつくしているという事が想像できる。
そうした色彩に対する研究は、光化学的、数式的なサイエンスの要素も隠れているように思われる。
サイエンス的な要素の上に、サイエンスの理屈や理論を超えたものを見い出し、そこに引き込まれるようなかたちで、情熱的な作品づくりにつなげていたのではないだろうか。
そして、更にそれまでの印象派の特徴とされる描き方も変え、より良い作品づくりをしていくようになったのだと思う。
操体臨床の第2分析である動診も、ただ闇雲に動かしただけでは、気持ちよさをからだにききわける事にはつながらない。
からだの使い方、動かし方のルールを踏まえたうえで動いてもらい、操者自身も作法に則り被験者の動きを介助、補助し、言葉かけにも注意をはらいながら、気持ちよさのききわけにつなげている。
一つの動診でも緻密に研究したうえで、それに過信をせず、自然を尊重する。そして、治しをつけてくるからだに、バランス制御の原動力となる快適感覚の質を問いかけている。
そして、更に診断分析法は、それまでの操体とはこういうものだという概念を打ち破るようにして、より負担をかける事なくより効果的なものへと進化していく事となる。
2021年秋季フォーラム
2021年11月23日(火)勤労感謝の日 ハイブリッド開催