今回のテーマを追及していくことにおいて、また健康維持増進に繋げていくことにおいて、非常に重要になことがあります。
それは臨床空間と生活空間、それぞれの空間の中で私達が営んでいるものが「からだの要求」に適っているのか否かを理解していくことです。
一般的には臨床の中で獲得したものを持続させていくことが健康になることの秘訣と捉えているように見えます。
以前の操体もボディの歪みを正し、そして日常生活の中で身体運動の法則に乗っ取ったからだの使い方をすることが健康維持増進への道筋でした。
しかしこれがなかなか上手くいきません。
私自身も経験があるのですが、日常生活の中でどうしても忘れてしまう時があったり、時間の経過と共に忘れてしまったりします。
その結果再びからだの調子が悪くなるということを繰り返していました。
こういったことを繰り返してしまうのも「からだの声」を無視し、じぶんの欲求を優先してしまっていたからです。
その過ちを繰り返さないためには少しでもからだに寄り添ってみることが大事なことです。
それには思考の優位のからだの向き合い方ではなく、からだがききわけている感覚優位の自身の在り方を形成していく必要があります。
そしてその声に従い自身の生活空間の営みを行っていくこと。
そうすればじぶんを生かしてくれているものに意識が向くようになり、結果的にその向き合い方が自ずと変化してくるように感じます。