東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

五官の五感②

聴覚の次は視覚について考察してみる。

よく、「目は口ほどにものを云い」と言われているとおり、目に言葉はいらない。言葉以上に目は語るのである。目は感情を最もよく表している。また、目は感覚そのものでもある。目で感覚するというのは、感情に直接働きかけてくる。


ある光景を思い浮かべてほしい。大海原に沈んでいく夕陽。一面に染まる夕焼け色。ふと、あなたはそれを目にする。汚しようのない美しさがある。あなたはその美しさに包まれている。もはや言葉が入れる隙間も存在しない。ただ美しさだけがそこにある。見るものと見られるものがひとつになった瞬間である。もし、あなたが言葉を介入させないで純粋に目だけで見ることができたら、これは可能なことである。


普段、我々のやりかたは、美しさを目の前にして、こう言うだろう「なんてきれいなんだ。見たこともない美しさだ。ああ、素晴らしい。」そして、ありたっけの褒め言葉を並べ続けるにちがいない。こうやって美しさを台無しにしていくのだ。美しさを目にして、言葉を出した瞬間、それは壊される。たった一言、美しいといったとたん、もう美は消え去ってしまう。

目の感覚を養いたいのなら言葉を介入させないこと。目におまかせすればいい。目は感覚を気づかせてくれる最もストレートな器官である。


こんな目の感覚について試してみたことがある。三浦先生から聞いた「皮膚への問いかけで、色を見せてくれる」という現象についてであった。疲れていて過労気味であった時に、軽く両目を閉じて両手の平を瞼の上にそっと触れてみる。刺激になるように押さえてはいけないし、離れていてもいけない。触れているのか、離れているのか、わずかに触れている微妙な間隔を保つのである。

数分も続けていると妙に気分が落ち着いてくるのが分かる。もうしばらく続けていると、暗闇の中に燻したような青い光が出現してきた。うまくいけば、明るい青色に変わってくる。これには若干のテクニックがいる。瞼に触れている手の平の間隔の調整である。わずかに触れている微妙な間隔をと持ち続けるように意識することだ。

これは疲れを取るのにありがたい。今でも時々やっている。一度お試しあれ。


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