東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

2008年春季東京操体フォーラムに寄せて (岡村 郁生)

岡村 郁生実行委員長(理事兼務)からのメッセージです。

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今回のテーマは、「操体の過去・現在・未来」です。


実技担当としての今回は、


1、座位での首の左右捻転。 
2、座位での首の前屈と後屈
3、背臥位(仰臥)での膝の左右傾倒。 
4、腹臥位(伏臥)での左右下肢伸展。
を行います・・・が、この分類自体が実は!区分けとして楽を通す場合なんですね。(過去バージョン)
では現在はといいますと・・・


1、座位で首の右方向への捻転。 
2、座位で首の左方向への捻転。
3、座位で首の前方向への屈曲。 
4、座位で首の後ろ方向への伸展。
5、背臥位(仰臥)で膝の右方向への傾倒。 
6、背臥位で膝の左方向への傾倒。
7、腹臥位(伏臥)で右下肢の伸展。 
8、腹臥位で左下肢の伸展。 
9、腹臥位で両下肢の伸展。


となってくると、(現在バージョン)となります。どう違うのかといえば、一つ一つの操法にききわけてみる(比較しない)のが大きな変化ですね。この場合、もっと様々なエッセンスが詰まってくるのです!楽しみにお待ち下さい。


そして未来の操体では一体どうなってしまうのでしょう?
これはもう眼からウロコが落ちますヨ!(キリストが起こした奇跡の一つになぞらえた言葉なんですね。この表現は)例えば・・・(未来?バージョン)
1、どこかに触れて(皮膚の動き)からだのききわけを通し(走行感の良し悪し)、首の右方向捻転。(座位での操法
2、(ツライ動きの方向性が右方向であった場合)皮膚の動きをからだにききわけてから、ツライ方向に首の捻転。
3、どこかに触れて(皮膚の)からだにききわけて、そのまま体のつけてくる動きにゆだねる。
からだのつけてくる動きがあるということ。(首が必要に応じて右方向に捻転してくる可能性もある)
4、首が右方向への動きをとらせず、からだの中心で表現する(例として、背骨。例として、右足など)
(実際は動いていないように見えるけれども、体の中が動いている感覚で、首の右方向捻転)


こんな形で操体の臨床の広がりを感じていただければ!嬉しく楽しく!感動間違いありません。
からだが治しを付けてくれているのだから、術者側の責任で治すということに関与しない!この橋本敬三先生の治療に対する考え方を、いかに実践して行けるのか?の問いに、答えをつけていくこと。


そこには奇跡が起こっている?と思われる方もいることでしょう。しかし現実には「からだが選択してくる気持ちの良さに委ねる」、骨格関節を含む横紋筋系に対する操法の問いかけから、「皮膚を含む体壁系に問いかけて、無意識のつけてくる感覚に委ねる」ことが、本当の自己の欲望(余計な企み・計算)から脱却し、己のからだと思っている傲慢さ(からだからすれば図々しさかも知れません)を出来る限り排除した上での、未来への操体が生まれつつあります。


今回どの程度まで発表できるか?ですか。それは来てのお楽しみ!ということにさせて下さいませ。(心よりお待ちしております)
きっと、過去を含みながら現在があり、未来はまた過去を知るということがわかって頂けるように努力いたします。


アインシュタインの言葉にこうあります。
「私たちが経験できる最高なる美は神秘なものである。そしてその神秘なものは真の芸術と科学の源泉である」


世の中であまりに革新的なものは、世紀を飛び越えているのは歴史で学ばれたとおりです。ですが、ガリレオが言わなくとも真理はいつか黙っていても認められるものです。科学は大事ですが、自然の摂理はその根本を形成していることを忘れてはいけないのです。


体はイノチそのものに響くものであってほしい・・・そう願い続けてきた私の想いを。このご縁の中、ご指導いただける環境に心より感謝いたします。 ありがとうございます〜for you.〜 



岡村 郁生