東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

ムダなこと?

いやぁー「ブログ」ってドキドキしますねぇ。人さまに見ていただく文章を書くのはもちろん、ブログを書くのも初めてなので、三浦寛先生には「力抜いてさ。」と言っていただきましたが、余計な力だけが入ってますね。土曜の晩から東京に居たので、初めてのブログのアップを畠山裕美先生にお願いしていたのですが(ありがとうございました)、日曜の朝にどうもドキドキするなぁーと思ったらブログが気になってたせいなんですね。いろんな人に見ていただくというのは、TV出るみたいな(出たことありませんが)、感じなんですね。まぁこんなやつも居るということで笑っていただいて、引き続きお付き合い下さい。よろしくお願いします。


昨日も申し上げたとおり大阪に住んで15年あまりになりますが、大阪人の価値観というのは、僕の観るところ独特でして「値段に見合っているか」が重要なので、値段というものがモノの価値に、というか「感覚のききわけ」に大きく影響するようです。例えば「このタコ焼き100円だったらウマいけど、150円だったらマズい」というような感じでしょうか。
ですから僕が床屋に行くなどと言いますと周りの人間は「なんというモッタイナイことを、金をドブに棄てるようなものだ、信じられない。」という非難がましい眼で僕を見るのです。「お前のような頭であれば刈る面積より刈らない面積のほうが断然多いではないか、なんとなればほとんどの場合ハサミは空を切っているではないか、そういうことに時間と金をかけるとは何というアホな男だ。」ということでしょうか。
合理性(これも関西人の特長と言われますが)から見ると言われる通りかもしれませんが、僕がそういう非難をモノともせず果敢にも床屋に通い続けるのにも自分なりの理由が在りまして、行きつけの床屋さんの手の感触なんですね。とても気持ちが良いのです。ヤセても枯れても頭皮も皮膚でして、生えてないからイイダロウ的に扱われますと気持ちが良くないのです。といっても、僕なんかは床屋さんと話し込む訳でもなく、髪型の注文をつける訳でもなく(つけようもないが)、「今日も暑いですねぇ」かなんか言って後はジッとしてるだけなんですが。そんなんでチョキチョキしてもらってるうちに、いつのまにかコックリコックリして、床屋さんはやりづらいでしょうし、見違えるような男前になる訳でもないので申し訳ないんですが、とても心地の好い時間です。こういう時間をただムダだと言われてしまうのにはちょっと抵抗があります。


有名な話でご存知の方も多いと思いますが、「ナマケモノのアリ」という話があります。北海道大学大学院の長谷川英祐氏は、アリのコロニーの活動を5ヶ月にわたって調査しました。「巣の外へエサを採りに行く」「卵や女王アリをなめてきれいにする」「ゴミを捨てる」といった「働きアリの仕事」をほとんどせずに」巣の中をうろうろしたり、自分のからだをなめて掃除したりするナマケモノのアリがどのコロニーにも2割いたのです。「優秀な個体だけでは、集団の生産性は最大にならないことがわかってきている。仕事をしないアリにも何らかの役割があるかもしれない」(読売新聞’03/10/28)
この話の解釈についてはいろいろあるみたいですが、ムダに見えてもムダな存在というのは無い、ということでしょうか。よかったよかった、なんて2割の方に所属している僕は我田引水して安心しているんですが。



信じられないでしょうが、髪がボーボーだったころが僕にもありまして、とても長く伸ばしていた時もあったのですが、もし今伸ばすと落ち武者に間違われて竹やりで突つかれる恐れがありますので用心のため短くしています。これはこれで利点がありまして渦状波やマッサージの練習がしやすいのであります。何事にも「ムダ」なことはない、という好例ですね(泣)。
操体というものは症状、疾患に囚われないものですので(この際症状・疾患かどうかは別として)、ガンバってニョキニョキ生やそう!とはしていないのですが、いつの日かフォーラムの受付で、ソウルフルなアフロの僕やラスタな感じのドレッドの僕でお会いできるかもしれません。楽しみですね。毎回受付で笑い出したくなるかもしれませんが、あくまでも心の中だけでお願いします。


そんなお楽しみ(?)もある2009年の秋の東京操体フォーラムは11月22・23日の開催です。もちろん本当のお楽しみはその内容でして、今回は柳生心眼流竹翁舎主催の島津兼治先生、コンテンポラリーアーティストの田中稲翠先生をお迎えしての特別講義を交え、「SOTAI Moving Arts Festival 2009 〜全てに息づく操体の波動〜」と題してお送りする予定です。ぜひお越しください。
それから秋の東京操体フォーラムにはもう一つお楽しみがあるんですけど。それについてはまた明日。