マドリッド3日目はいよいよ操体フォーラムinマドリッドの1日目です。
まだ時差ボケのフワフワした頭ですが、朝食を軽く取り(というより昨夜までの食べ過ぎで食べられない)、フォーラムの用意ですが、メンバーの皆さんは浴衣など衣装に工夫をこらしておられました。僕はといえば、そういうシャレた持ち合わせがないのでスーツを着ようと思っていたのですが、三浦先生が俺のを着ていいよと仰ってくださったので先生のお部屋にお邪魔すると、名前はなんて言うのか知らないんですが東南アジアのイスラム圏の民族衣装というんでしょうか、とにかく観たことも着たこともないものでした。試着すると三浦先生はじめ皆さんに大ウケです。もちろんカッコイイと言う意味ではなく、オモシロすぎるという意味ですが(笑)。親には大変申し訳ないことですが、旅先のことでもあるし、皆さんの気持ちが盛り上がるならイイかという事で着させて頂きました。
さて会場入りですが、入口にはもう沢山の人達が待っていてスゴい熱気です。日本でのフォーラムとは違う感触で否が応でも気持ちが昂ります。会場の中もざわめきでいっぱいです。カメラ、プロジェクター、スクリーンが設置され思った以上のスケールでした。小野田先生はじめスタッフの方々が周到な準備をされていることがよくわかります。
いよいよプログラムがスタート。
最初は三浦先生、畠山先生以下メンバーの紹介です。舞台に上がって皆さんにご挨拶をさせていただきました。この時は自分がどんな格好をしているのか忘れていましたが、なんだコイツはと思われたことでしょう(笑)。
続いて畠山先生の講義「操体の歴史」です。
仙台、伊達政宗公、慶長使節団、ダースベイダーから操体の歴史へ、快と楽の違い、第一分析と第二分析の違いなどのお話しが通訳を交え、英語の字幕とともに展開されていきます。福田画伯の絵ではみなさん大ウケでした。
続いて三浦先生の講義。操体の哲学から第二分析の説明までお話しが展開していきます。通訳の三原さんも時にどう通訳していいのか困られながらお話しは続いていきます。
メンバーの小代田さんが言われていましたが、向こうの方は表情が豊かで反応がとてもわかりやすいです。午前中の終わりにはいろいろ質問が出されましたが、表情からも頭の中が?でいっぱいになっている感じがよくわかりました。
そこで午後最初は畠山先生をモデルにしての三浦先生の第二分析の実演からはじまりました。次々と行われる操法を見ての皆さんの表情はまだ???です。みなさんパッと見てパッとわかるものを期待して来られていたと思いますが、目の前で行われていることがあまりにシンプルに洗練されているので、そこで何が起きているのかを理解出来なかったのかもしれません。そこで畠山先生から操体の学びについてのお話しがあり、身体運動の法則、視診触診、動診操法の介助補助を学ぶこと等が説明されると、簡単にオイシイところだけを今日来て今日マスターして帰れる訳じゃないんだなということをわかっていただけたのだと思います、会場の雰囲気が変わったと感じました。
つづいて三浦先生の身体運動の法則の講義です。
重心安定、重心移動、連動の法則、目線・呼吸との相関性が実演とともに語られていきます。
この時にはもう会場の方の雰囲気はガラッと変わっていて、1つ1つの説明に皆さんがだんだんと身を乗り出してくる感じになっていくのがよくわかりました。先生のジョークに笑いも生まれ、どんどん会場の熱気が高まっていきました。
最初会場の皆さんも言葉の壁という様なものを意識されていたと思いますが、今日の数時間で言葉を超えて伝わるものを感じ取ろうとする気持ちが早くも生まれているのを感じました。
僕にとってはなにより三浦先生、畠山先生の気迫に満ちた表情を見せていただいて、伝えることの素晴らしさ、厳しさを学ばせてもらう1日となりました。
世界の人に操体を伝える、そういう日が本当に間近に迫っていると思います。
1日目が終わり、三浦先生、畠山先生は今回参加された先生方と会食の為、僕らは別行動でスタッフの森脇さん、鈴木さんにマドリッドを案内していただきました。レアルマドリッドのスタジアムにも連れて行って頂きましたが、残念ながら今回のメンバーは皆サッカーに詳しくなくあまりその有難さを理解していませんでした。その後森脇さん行きつけのお店で食事、シードルやシーフードが美味しかったです。
明日はフォーラム2日目。僕らも足趾の操法等で実演することになっています。緊張で眠れないかなと思いながらベッドに入りました。
5日目につづく
山本明
10月2日から視診触診、連動の体得などをはじめ、操体に必須のスキルを学ぶ、
操体法東京研究会2010年秋季集中講座(全10回)を行います。
11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。