東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

マドリッドの一日

マドリッドでの最初の夜が明けました。昨晩は眠たくて眠ったのですが、これが時差ボケというのか、4時間ほどで目が覚めてしまいます。闇の中で今回の旅についていろいろ考えます。ここに今居る事の不思議さ有難さ、旅に出る前に考えていた事と今来てみて感じる事、まだ自分の気持ちがどう動いていくのか分かりませんが、日本に居た時とは全く違うものになっている事はわかりました。
言葉も習慣も違う国へ来てはっきり感じるのは、からだの要求に問いかけるという在り方は世界中どこに行っても間違いないんだなという思いです。
それにしても日本を出てからどれくらいの時間が経ったのかもう分からなくなっています。
起きてみて気が付いた事ですが、朝でもなかなか明るくなりません。7時でも真っ暗です。夜更けるのが遅いので考えると当たり前なんでしょうが、朝食の時でもまだ暗かったです。
それでもその時間には朝の通勤ラッシュが始まっていて、道路は車がたくさん行き交っています。暗いうちから仕事に向かう人達がいるんだなと思うと、最初に抱いたスペインの人達に対するイメージが変わってきました。そう言えば街を歩いていて感じたのは、スペインの人たちの親切さです。ちょっとした事でも声をかけて来てくれて教えてくれたりする(何を言っているのか全くわからないですが)事が何回かありました。
小野田先生が仰るには、スペイン人は体力があるとのこと。夜遅くまで楽しんで翌朝は早いうちから仕事に向かうのですから、やはり体力が違うのかなと思いました。

さて今日は小野田先生の心配りで仕立てていただいたバスでトレド観光です。肌寒い空気の中、マドリッドから約2時間の道程です。道すがらガイドの方がスペインの歴史についていろいろ教えてくださいました。学生時代驚異的な低偏差値を誇った僕としては、聴いた事があるなくらいしか理解できませんでしたが、この国が波乱に満ちた歴史を辿って来た事、そして今も変わりつつある事がわかりました。
車窓からみる景色は遠くまで広がる大地と広い空、オリーブ畑、スペイン独特の風景です。スペインはとにかく空がきれいだなと思います。

ガイドの方はスペイン人の気質について、いいかげん・怠け者のように言われるが、とにかく自分の事をまず大事にしてそれから人の事を考えるのがスペイン人で、それが僕らにはいいかげんに受け取られるけれど、慣れればこんな楽なものは無い、会社での上下関係も楽なものです。というような事を仰っていました。そういうもんなのかな。

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トレドに到着すると石畳の旧市街を歩きながら、エルグレコの絵が描かれた教会、大聖堂等を見学しました。教会も大聖堂もさることながら、古い街にそのまま人々が生活していて、其処此処で垣間見える生活の風景がとても素敵でした。

帰りは爆睡しながらマドリッドに引き返し、今度はプラド美術館へ。
詳しくないですが、「あ、これ教科書で観たことある」っていうような絵がいっぱいで、とても1日で観れるようなものではありません。僕はスルバランの羊の絵と磔刑の絵が気に入りました。
それにしても、絵のテーマのせいなのか、とにかく絵を観るのにもエネルギーが要ります。だんだんクタビレてしまって、終いには絵が目に入らなくなってしまいました。

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その後プラド美術館の前の店で食事。世界的な観光地の前の店ですからツーリスト用の本格的ではないメニューなんでしょうが、
それでも日本人の僕らはお腹がいっぱいです。

さて観光からホテルに戻り、今度は日本大使館へ。三浦先生の講演です。
橋本哲学から聴いている皆さんの意識の志向へと話しが及び、集まった皆様も最初は手軽なハウツーを期待されて来られておられたのかもしれませんが、途中から反応がガラッと変化して、先生のお話がみなさんに響いているのが感じられました。

大使館の帰りに小野田先生の治療所の近くのレストランで夕食。
スペイン人の体力についてはお話ししましたが、夕食もとにかく量が多くて味付けも濃いです。スペインに来て最初は、その食べ物だけが濃い味付けなのかなと思っていましたが、どこの店でも総じて濃い味付けになっています。塩味に限らず、酸味甘味も日本より濃いので味の振り幅が大きいです。そしてその量。

日本の感覚で肉を頼むと「あの、、、、キャッチャーミットは頼んでないんですけど、、、、。」と言いたくなるような物体が運ばれてきます。これを夜の10時くらいから食べだして、その後12時過ぎからパーティーに行くと言うんですから、、、たいしたもんだスペイン人。

8月の京都からの旅でも分かりましたが、睡眠不足と疲れがピークに近くなってくると、みんなで話していてもなんでもないことでオカシクて笑いが止まらなくなることがあります。日本を出てから何日か経ち、この日の夕食はテーブルの反対側で岡村王子が涙を流して笑っていました。後で聞くと僕にあだ名がつけられてウケていたとのこと。この頃になると他のメンバーにも公には口に出来ないようなヒドい名前がつくようになりました。これも旅でみんなの絆が深まっている証なのでしょうが、それにしてもヒドいので公表は差し控えておきます。

師匠は明日からのフォーラムのため、早めにホテルへ。
僕らが戻った時にも、覗いてみるとスタッフの方達が準備の最中でした。ありがたいことです。それを見て気が引き締まりました。

明日はいよいよスペインでのフォーラムです。

4日目につづく


山本明


10月2日から視診触診、連動の体得などをはじめ、操体に必須のスキルを学ぶ、
操体法東京研究会2010年秋季集中講座(全10回)を行います。
11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。