東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

東京操体フォーラム in 京都(5) 番外編 祇園の夜と京都の朝

さて、二日目のお昼少し前に、私が大阪の兄さんと呼んでいる、アートディレクターの荒木基次氏が登場した。荒木氏はISIS編集学校の第1期の師範代であり、私が今までに大阪に寄った2回とも、天保山海遊館に連れて行っていただいている。師匠とも顔なじみである。今回は荒木兄さんの取り計らいで、京都の素敵な宿に泊まることになっていた。玉林院の後片付けが全部終わった後に、タクシー二台に分乗して目的地に向かった。場所は八坂神社の近く、円山公園内の某所である。ここは非常に人気のある宿らしく、3ヶ月先まで予約一杯で、春と秋(桜と紅葉の季節)は、まず予約できないらしい。そういえば、荒木兄さんに予約していただいたのも半年以上前の事だった。円山公園の中を車で上がっていくにつれ、綺麗な洋館やお寺、しだれ柳などが見えてくる。京都に詳しい荒木兄さんに説明していただき、ひたすら「へ〜」とか「ほ〜」と頷いている私達であった。
ほどなく目的地に到着。ここは二部屋のみの旅館で、いわば「貸し切り」である。また、京都は「片泊まり」と言って、夕食はついておらず、朝ご飯がつくプランがあるそうだ。確かに京都の街中に泊まるのだから夕食は好きなものを食べたい。なかなかいいアイディアである。

幻想的?な旅館の入り口。ここは「ミシュランガイド」にも載っていることを泊まってから知った。

旅館についてから、男性陣は大きな部屋、小代田さんと私は小さな部屋に荷物を置いて一息つく。大きな家族風呂があり、シャワーが2つづつ付いているので、順番にシャワーを浴びる。荒木兄さんは「ひみつの京都ガイド」を開き、あらかじめ目星をつけておいたお店に電話をかけ、予約した。日はすっかり暮れている。皆で山?(円山公園)を下っていった。知恩院とか、聞き覚えのあるお寺の横を通って通りに降りる。驚いたのは京都の暗さだ。実際東京というのは夜でもめちゃくちゃ明るいので、こんなに暗い道を歩くのは本当に久しぶりなのである。私は暗い道を歩くのが何故か楽しかった。たまに店先に明かりがついている事があるが、それも煌々としたものではなく、薄明るい電球の明かりだった。まるで別世界である。

荒木兄さんが予約を入れていたのは、中華のお店だった。「京風中華」で「広東料理」である。中に入ると壁一杯に鮮やかな鳳凰が書かれており、隣では家族連れが賑やかに食事をしていた。我々一行もテーブルにつき、まずはビールで乾杯。一仕事終えた後の一杯は本当に美味しかった。
覚えているメニューは、かに玉、春巻き、小籠包、チャーシュー麺、海鮮オイスターソースいため、お焦げのあんかけなど。京都ではそれぞれのお店で手作りの「ちりめん山椒」があるようで、シメは炊きたてのご飯にちりめん山椒を乗せていただいた。デザートのココナツゼリーを一口味見したが、美味しかった。ちなみにこのお店、中華なのに何故かBGMがハワイアンとジャズだった。もらってきた可愛い赤いマッチ箱をみたら「ぎをん 森幸」と書いてあった。機会があったらまた行ってみたい。

その後、暗い道をふらふらと歩いて祇園へ。

浴衣姿の岡村王子。

祇園花見小路、有名な「一力亭」の前で。成金がトランク一杯札束を持ってきても遊べないらしい・・・。

明かりのせいもあるのだろうが、何とも言えずどこかにトリップでもしたような気分。荒木兄さんの知っているお店が残念にも日曜でお休みだった。そこで近くのバーに入る。入ったところ「お二階へどうぞ」と言われる。二階へ上がるとそこはお座敷になっていた。一階のバーとシステムが違うそうで、二階はボトルを一本いれると、部屋においてある冷蔵庫に入っている炭酸やコーラ、アイスはフリーになるらしい。つまり、お座敷は貸し切り状態にするから、自分達でやってね、ということ。確かに貸し切り状態のほうが気が楽と言えば気が楽だ。なかなか面白いシステムである。そこで小松君に連絡を入れると、何でも小松君の操体研究所、松濤院はこの近くということで、まもなく小松君が登場した。祇園は初めてだし、こういったバーも初めてなので私はきょろきょろしていたが、今日の大役を終えた山本監督は半分寝ていた(お疲れ様です)。
というわけで、宿に戻った。

朝起きて男性陣の部屋に行くと、三浦先生が荒木兄さんに足趾の操法をしていた。話によると、荒木兄さんの「操体を受けての実況中継」は非常に客観的だったとのこと。観察眼が鋭いのである。後で聞いてみると、足趾の操法の『おさめ』の時、もの凄いものが身体を駆け抜けていったとのこと。足趾の操法の極みを最初から味わってしまったらしい。その後、三浦先生が足と膝に鍼を打ったそうで、この様子は山本監督がビデオに収めている。その後、荒木兄さんは少し休むとのことで、残りのメンバーで円山公園の散策に行くことにした。

坂本龍馬中岡慎太郎像の前で。歴史マニアの福田画伯は昨夜から『龍馬像・・龍馬像・・』と浮かれていたが、道の先頭を歩いていた三浦先生が『お、動像があるぞ』と、この像を発見した。


お寺の階段で逆光を浴びながら。確か二軒茶屋というところの近く。

風情ある洋館。レストランとカフェらしい。

宿の入り口。夜とは全く違う雰囲気だ。
そして小代田さんと私はテーブルの部屋、男性陣は和室で朝食をとることになった。荒木兄さんお勧めの「これは逃すな」朝ご飯である。

朝ご飯に群がる?男性陣

美味しそうな朝ご飯。ちりめん山椒と、煎った黒豆の入ったご飯が美味しかった。ゆずと黒七味をかけて食べた湯豆腐も最高だった。特にフルーツトマトの皮を剥いて柔らかく煮たのが出た。トマトにこんな品のいい食べ方があるのかと驚いた。

朝ご飯が終わってゆっくりしていると、荒木兄さんは大阪に戻って仕事とのこと、お礼を言って見送る。ありがとうございました。

ホテルをチェックアウト後、小松君の「松濤院」に行った。屋号は勿論三浦先生の命名である。六波羅蜜寺の正面で、京町屋造りである。一階二間、二階二間のなかなか洒落たしつらえである。三浦先生が『天井に絵を飾れ』とか『壁は白くしろ』などと細かく指示している。急な階段を上がって二階にデルと、広々とした明るい空間が広がっていた。たぶん、こちらを借りて『操体ベーシック講習』とかさせていただくことになると思う。この後、小代田さんは午後から仕事ということで一足先に京都を発っていった。
それから京都のSOU-SOU傾衣(けいい)がオープンするまで、松濤院の近くのカフェでお茶をする。このカフェの隣の隣は、有名な『幽霊子育飴本舗』である。結構有名なお店なので飴を買っていこうと思ったが開いていなかった。すっかり涼んでから目的地に向かって歩く事にした。途中川魚専門店を覗いてみたり、暑いながらも色々見物しながら目的地へと向かう。途中橋を渡って目的のお店に到着した。この店は、SOU-SOUのメンズブランドだが、小松君が以前着ていたのを見て、三浦先生が是非この店に行ってみたいというリクエストがあったのだ。店の中で、三浦先生は一種「着せ替え人形状態」。丁度ポニーテールにしている上羽織袴系が似合うので、店員が次から次へと洋服を出してくる。
ここで、何着か袴型ズポン、羽織型ジャケット、シャツを購入してお買い物修了。スーツケースを置いてある「松濤院」に戻ることにした。途中でお稽古に行く途中の、すっぴんの舞子さんとすれ違った。
小松君にタクシーを呼んでもらった。今回の京都フォーラムでは活躍ご苦労様でした。



9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラム in マドリード」開催
2010年操体法東京研究会定例講習は9月から始まります。
11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。