東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

体験その1

 六日目です。よろしくお願いします。
 明日で平成23年が閉じようとしていますが、今年一年も忙しく、時間が1日24時間では足りないくらいの感覚を感じるくらいの生活を過ごさせて頂きました。自分自身、からだが限界を感じているなという感覚を感じながらも、いろいろな仕事が舞い込む環境により、環境を含む息食動想の四つの営み(自己最小限責任生活必須条件)の生命力学のバランスを崩してしまいました。(自分で分かっていて、バランスを崩しているから、からだの素直に謝っています。)物の見事に全体のバランスが崩れていくもので、改めて操体の哲学の教えを自分自身で体験しております。
 胃カメラ・大腸カメラなど検査の結果、逆流性食道炎に、痔瘻(じろう)という立派な診断名がつきました。その中でも、痔瘻の治療は平成24年に持ち越しです。
 簡単に痔瘻を説明しますと、ストレスや不規則の生活などによって、下痢が続いたり免疫力低下から、細菌が肛門周囲に侵入して炎症を起こし、肛門周囲膿瘍となった後に、肛門周囲に排膿することで瘻管が生じ、痔瘻となるようです。この痔瘻の検査が何と言っても痛いのです。痔瘻の深度及び形状を把握する為に、肛門周囲に開口した瘻孔部から探針(ゾンデ)と呼ばれる金属製の棒を挿入し検査しますが、その際に、麻酔を用いない為に激痛が伴うのです。
 医師に「チカラを抜きましょう」。僕は「ハイ」。痛みをこらえながらこの繰り返しで、激痛に対して自然とチカラがはいるわけです。これも防御反応で立派な反射なのですが、検査時には邪魔になってしまうようで、なかなか苦労しました。検査の結果分かったことは、瘻管がすこし複雑なので、瘻管切開開放術とシートン法を併用しておこなうということでした。入院期間は7〜10日くらい、その後の自宅療法で2〜3週間かかることがあり、創が治るのにはさらに1〜3週間かかるようなことを言われながら手術となり、初めて自分が受ける手術に緊張しつつも無事に手術が終了となりました。
 手術中は検査と違い痛みがなく、麻酔の有難さに感謝をしていましたが、麻酔が覚めると、わかっていたことですが「お尻が痛い」のです。お尻が痛いということは、からだの中心に近いということもあり、身体運動の法則(重心安定の法則・重心移動の法則・連動の法則・呼吸との相関性・目線との相関性の3法則と2相関性)がなくなってしまったような、からだが丸太のような感じの動きになるのです。
 この痛みの中、今まで学んできた操体を活かす時が来たとばかりに、からだと感覚をいろいろ試すことができました。その結果、なんと一晩で痛みはあるものの歩行ができるようになり、医師からは、「普通の人は痛みが落ち着くのに3日ぐらいかかるのに、痛みに鈍感なのかな」とビックリしていました。そして、内服薬の抗生物質と消毒をもらって4日目に退院、外来通院となりました。
 今回の手術入院、自宅療養に関しまして、三浦理事長・畠山常任理事をはじめ実行委員皆様には、ご迷惑・ご心配をお掛けしました。この場をかりて、いろいろとありがとうございました。
ところで、痛みを一晩でどのようにしたのかについての体験は、最終日の明日、ブログを読まれている方にそっと教えます。やはり答えは快適感覚なんですが・・・。
 今日はこの辺りで・・・。ありがとうございました。