今日は「息」と「食」についてお話ししたいと思います。
まず「息」について。ふだん呼吸について意識することはないと思います。
呼吸法というものはありますし、それを実践している方もいらっしゃるでしょうが、
それは一定の時間取り組むものであり、一日中それを行うわけではありません。
操体でいう「息」とはふだんから特に意識せずにしている自然な呼吸のことです。
からだが自然につけてくる呼吸です。その呼吸にときどきでも意識を向けてみると、
呼吸できていることが不思議な感じがしてきます。呼吸ができていること、
これはこの地球(宇宙)に呼吸させてもらっているということでもあります。
呼吸ができなければ、私たちは生きていくことができません。何か食べたり、
飲んだりする前に、呼吸ができていることのありがたさに改めて気が付きます。
次に「食」について。私が意識しているのは「食べ過ぎない」ことです。
食べ過ぎると、当たり前ですが、苦しいですよね。食べることでからだに負担を
かけているのでは本末転倒です。たくさん食べたかったのは私であり、
あなたであり、からだの方はそんなに欲していなかったということもあります。
食べる際にはからだにお伺いを立ててからにしましょう。からだは必要な分だけ
あれば、あとはそんなにいらないよと言っているかもしれません。
私は胃腸が丈夫ではなく、今までに胃カメラを2回飲みましたし(その際、
胃潰瘍ができて治った跡が見つかることもありました)、胃もたれや胸やけを
することも多くありました。もうちょっと何か食べたいという時に選んだものが
「これじゃなかった・・・」ということも結構ありました。それが、操体を学ぶ
ようになり、「食」への意識だけでなく他の三要素(「息」・「動」・「想」)
からのフィードバックもあるのでしょうが、間食はほとんどしなくなりましたし、
それに、食べたいと思ったものがちゃんと食べたいと思ったものであること、
つまり、自分が食べたいものがちゃんと当たるようにもなりました。
そして一番の変化は、胃もたれや胸やけをしなくなったことです。
何か行動を起こすのではなく、意識を向けることで変化していくのは面白い体験です。
ここで言えば、胃もたれしやすい食べ物を制限しようとしたのではなく、食べる際、
からだに聞き分けることで結果としてそういったものを控えていたということでしょうか。
自分では、そういったものを控えたという意識は全くありません。「そういえば、
控えてるかも」といった意識すらありません。もっと言えば、このブログを書くまで
胃もたれや胸やけをしなくなったことに気付かなかったほどです。「じゃあ、
前もそんな大したことなかったんじゃないの?」なんて声が聞こえてきそうですが、
そんなことはなかったんですよ(笑)
操体は、学んでいき、少しずつでも身に付いてくると、それが以前から
自分の中にあったもののように感じられるから不思議なものです。
操体を学ぶことは、もともとこの世界にあるものに気付いていくという
ことでもあります。操体は“自然法則の応用・貢献”なのです。
1週間お付き合い、ありがとうございました。
来週からは「博覧強記」、日下さんの登場です。お楽しみに。