東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

操体的呼吸(二日目)

呼吸というのは、からだの細胞が物質をエネルギーに、エネルギーを物質に、たえず変換している循環系を動かしている生体メカニズムである。呼吸によるエネルギーの肉体化は、まず量的レベルで始まり、からだと心の変容の可能性をより大きく拡げることになる。そして自分の呼吸をどれだけ意識するかによって、質的にからだと心に現れる性格が異なってくる。
しかし呼吸を意識するというのは、どのように行うのか? 具体的に言うと、顔の真ん中の出っ張った小鼻部分と鼻の穴の奥にある洞窟のような鼻腔全体を意識して行うことで、鼻の空気の通りが良くなり、目がすっきりした感じになる。すると、呼吸が自ずと深くなり、横隔膜にも連動して呼吸と横隔膜が共に動きやすくなって、自然に腹式呼吸になってくる。
このような人間の存在を左右する生体エネルギーは、常に呼吸を通して行われている。呼吸の速さ、リズム、深さ、強さ、からだの状態、意識の状態は、からだのエネルギーや形に確実に影響を及ぼさずにはおかないものだ。そのうえ、他の内臓が生命の動きをなかなか実感できないのに対して、呼吸では、イノチの鼓動を直に感じることができるのも特質と言える。


それでは例によって操体的な意識呼吸を始めてみよう!

〝 鼻から入ってくる息に目線をつけて、
自然にとまるまで吸い込んで、そのまま息を止める 〟
〝 そうして止めたまま、最後まで読んでみよう 〟
〝 しかし決して力んではいけない、無理はしない 〟
〝 少しでもつらくなったら、鼻から息を出して、もう一度はじめから 〟
〝 背骨を真っすぐにして、全身をリラックスさせて、
鼻から入ってくる息でふくらませよう 〟
〝 鼻から入ってくる息に目線をつけて、力が抜けて、やわらかくほぐれるように 〟
〝 からだと心に、何か変化が感じられるだろうか 〟
〝 どんな気持ちになっているのか、
どんな感覚がやってくるのか、からだによくききわけてみよう 〟
〝 無理をせず、力まずに、楽に息を止めて、できるだけ長く息を保って 〟
〝 そうして鼻から息が出てゆくときは、
静かに、おだやかに、なめらかに流れてゆく 〟
〝 鼻から入ってくる息に目線をつけて、深くやさしく吸い込んで、
からだはリラックスさせて、そのまま息を止める 〟
〝 そしてやさしく、ゆるやかに、
静かに、流れるように息を送りだしてゆく 〟
〝 そう、そっとからだの声に耳を傾けて・・・・・・ 〟
明日に続く



2012年秋季東京操体フォーラムは11月18日(日)津田ホールにて開催決定