東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

操体的呼吸(三日目)


ヨーガの経典には、一生の間の呼吸回数は決まっており、多ければ早く寿命が尽きるし、少なければ少ないほど寿命が延びると記している。そういった呼吸で肺が取り入れる空気の中にも生命エネルギーであるプラーナ(気)が含まれているが、この気がからだの中でうまく働かなくなれば早く老化したり、病気になったりすると教えている。
ストレス社会に生きる我々は、粗雑で短く浅い呼吸をしながら環境の激変という危機の中で、生命活動の領域に大きな侵食がはじまっているのが現実だ。それは頸部や肩関節周辺、胸部や腹部などの上半身の緊張が原因になっており、ヨーガでいうプラーナ(気)が内臓の上部に滞っているからである。
そこで滑らかで静かな、息の長い呼吸を意識的に行うことにより、全身の気と自律神経が調和し、健康の根源といえる操体的な呼吸を提言するものである。またこのような意識的な呼吸は心を浄化し、創造力や直感を生む原点ともなりうる。


それでは例によって操体的な意識呼吸を始めてみよう!

〝 できるだけ軽く、ゆっくりと、静かに呼吸をしてみよう 〟
〝 ゆっくりと時間をかけて、鼻から息が出てゆく 〟
〝 ちょうど鼻孔のすぐ下に羽毛があるつもりで、この上なく静かに、やさしく 〟
〝 鼻先にわずかな風も起こさず、
かすかな音の振動さえ伝わらないようにすれば、羽毛は動かない 〟
〝 全身の力をすべてほどいて、ゆったりとリラックスさせること 〟
〝 からだのどこかに少しでも緊張があると、羽毛は動いてしまう 〟
〝 気持ちを鎮めて、思考を落ちつかせること 〟
〝 心がほんの少しでも揺れ動くと、羽毛は動いてしまう 〟
〝 ゆっくりと静かに息の出し入れを見守ろう 〟
〝 あくまでも滑らかに、ただ平穏だけを生み出しながら 〟
〝 そう、そっとからだの声に耳を傾けて・・・・・・ 〟
明日に続く



2012年秋季東京操体フォーラムは11月18日(日)津田ホールにて開催決定