佐助が担当する5日目です。昨日は視覚とからだ(認知)の不一致に触れましたが、今日は視覚からの情報により、からだの触覚をも錯覚を起こすのかということに触れたいと思います。よろしくお願いします。
早稲田大学河合隆史研究室によって、視覚的な運動刺激により触覚が誘発されるシステム「触運動錯覚呈示システム」の報告があります。これは3D映像と触覚を組み合わせることで、現実には与えられてない触運動の錯覚を体験することができるという報告です。体験者は3Dの映像を通して自分の手の甲がペンでなぞられているのを観察し、その後ペンの動きを停止し、今度はペンと同じ動きをするポインタ(光)で手の甲をなぞってみる。すると、まるでペンでなぞられているかのような錯覚を起こすそうです。
この触運動錯覚呈示システムから考えられることは、視覚からの情報というのは、意識していなくてもすべての情報を一時的にも脳は記憶するということではないでしょうか。
これを裏付ける内容の報告を発見しました。米国神経科学学会誌に伊佐氏、高浦氏らの報告によると、脳の中の視覚野を経由しない(本来は記憶の機能を持たないと考えられていた)中脳(上丘)は、眼で見たものを無意識に記憶しておく(記憶の機能を代償する)ことができることをことに役立っていることを明らかにしました。
ちなみに、爬虫類や両生類などの大脳皮質を持たない動物の原始的な脳では、中脳・上丘が中心的な視覚中枢になっているようです。
見えていると意識できなくても、脳は見えて覚えている現象をブラインドサイト(盲視)という現象というそうです。
明日はこのブラインドサイトに触れてみたいと思います。
今日はこのあたりで・・・。ありがとうございました。
2013年7月15日(月)の海の日に、東京千駄ヶ谷 津田ホールにて、操体マンダラ 2013を開催致します。