東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

ふれる・・・2

おはようございます。

 

道程という詩集で知られる高村光太郎は、彫刻家であった。

彫刻家であった高村光太郎は、「触覚の世界」と題した随筆のなかで、こう書いている。

私にとって此世界は触覚である。
触覚はいちばん幼稚な感覚だと言われているが、しかも其れだからいちばん根源的なものであると言える。
彫刻はいちばん根源的な芸術である

 

高村光太郎は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚も触覚につうじており、殆ど全く触覚に統一せられていると説く。

視覚に関した事柄だけでも引用すれば、以下のようなことを書いている。

考えてみると、色彩が触覚なのは当たり前である。
光波の震動が網膜を刺激するのは純粋に運動の原理によるであろう。
絵画に於けるトオンの感じも、気がついてみれば触覚である。
口ではいえないが、トオンのある絵画には、或る触覚上の玄妙がある。
トオンを持たない画面には、指にひっかかる真綿の糸のようなものがふけ立っていたり、又はガラスの破片を踏んだ踵のような痛さがあるのである。
色彩が触覚でなかったら、画面は永久にぺちゃんこでいるであろうと想像される。

 

感じるという事は、何かに触れて感覚しているという捉え方。

このような捉え方をしてみると、見るという事だけに限っても、そこには奥行きや深み、躍動感、何か自分自身に訴えてくるヒビキが伴っていると再認識させられる。

何か心の豊かさにもつうじるものがあるように感じられる。
また、他者からの情報に振り回される事無く、本質を見るという事にもつうじるように思える。

操体は、感覚というものを重要視しているが、何かつうじるものがあるように思う。

 

 

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秋季東京操体フォーラム開催決定

2023年11月23日(勤労感謝の日)

今季は久しぶりのルーテル市ヶ谷センターにて開催予定です。

プログラムの詳細等は追ってお知らせ致します。