佐助担当の三日目です。まだまだ雪の影響がありますが、今日から無事にクリニック診療再開です。よろしくお願いします。
ソチオリンピックでも必ず言われるのが、「着地時のバランス」です。着地時の美しさが採点につながる競技は多いのではないでしょうか。
僕も若い頃、スノーボードのハーフパイプをすこしやっていたので着地の大切さがよく分かります。着地がうまくいかないと、次の技に入るスピードがなくなってしまうのです。
自分の長女(5才)は昨年からスキーをはじめ、次女(3才)は雪と愉しむことを覚えはじめ、来シーズンにはスキーをはじめる予定です。
長女はスキーのスクールに入っていることもあり上達しているようです。現在は中級レベルのコースであれば、ボーゲンですが上手に降りてきます。
昨年は上半身の動きを利用してターンをしていたのに、今年は足の末端からの重心移動でターンをすることを覚えたことが大きな変化につながったようです。スキーのおかげで、重心移動の大切さや、重心とバランスの大切さを、からだを使って感じているようです。
からだにはありがたいことに、目的に見合った姿勢を保ち、また正しく姿勢を保たせようとする働きが備わっています。
姿勢調節には脊髄・脳幹・小脳・大脳皮質などの中枢神経系がかかわります。また、感覚入力として、前庭感覚系のほかに、視覚系、皮膚や筋などの体性感覚系がかかわります。これらの神経系は姿勢反射として働くほか、学習によってループ回路を形成して姿勢調節に関与すると考えられます。
反射のうち伸張反射、支持反射、持続性迷路反射、持続性頸反射などがあり、これらは脊髄及び延髄が反射中枢となります。また、迷路・頸部から起こる立ち直り反射は中脳が、視覚による立ち直り反射、踏み直り反射、飛び直り反射は大脳皮質が、それぞれ反射中枢として働きます。
乗り物が左右に傾くときは、傾いた方向の下肢が緊張します。また後ろから急に押されたとき、足が前に出て転倒を防止します。これら大部分は、脳幹を中枢とする姿勢反射に負うところが大きく、つまり、身体の空間的位置や、頭部、体幹、四肢のからだは、前庭器官、頚部、網膜、皮膚などからの信号を受けて、脊髄や脳幹を中枢として起こるさまざまな姿勢反射の総合効果により保たれています。
姿勢反射には、頚筋の受容器の刺激で起こる頚反射、前庭器官の刺激で起こる迷路反射(または前庭姿勢反射)、前庭器官、体性感覚器や網膜などの刺激で起こる種々の立ち直り反射、それに大脳皮質が関与するより複雑な反応である踏み直り反応や跳び直り反応などがあります。
緊張性頚反射は除脳動物や両側迷路を破壊した動物で著明にみられますが、正常なヒトや動物では通常みられません。ただし、とっさの捕球動作などには見られることから、この反射は正常時でも姿勢調節に関係していると考えられています。上頚部の後根を切除または麻酔して緊張性頚反射を抑制しておくと、典型的な緊張性迷路反射がみられるそうです。これらの反射の受容器の興奮は、四肢にそれぞれ逆の反射効果をもたらすことから、目的に見合った姿勢保持において緊張性迷路反射と緊張性頚反射は相補的にはたらくと推測されています。
姿勢反射は、大脳皮質や小脳からの統合と制御を受けながら脊髄の反射を統合して、目的に見合った微細な姿勢の調節をからだがしながら、動きのフォームができていると考えながらソチオリンピックの競技をみると、また違った観点から競技がみられるのではないでしょうか。
今日はこのあたりで・・・。ありがとうございました。