佐助が担当する最終日です。よろしくお願いします。
睡眠に問題を抱えている方が多くいるようです。僕が勤務するクリニックでは、来院する方に看護師が問診しますが、寝むれないということで薬を内服しているという方が多いのにはおどろきます。
眠れなくて内服されている方が、操体法により、快適感覚をききわけ、快適感覚をあじわっている操法の間に眠りに入っているケースを多く見受けます。そしてこのような方は通院している間に、睡眠問題を訴えなくなっていることをよく経験します。
これは「快適感覚と睡眠」、感覚のききわけとなる「体性感覚と睡眠」が深く関係しているのではないかと考えていました。
以前調べていたときは、深い眠りである「ノンレム睡眠」時には体性感覚遮断に近い状態であり、視床の感覚ゲートが遮断されて、感覚情報が大脳皮質へ届きにくい状態であるとの説が広く信じられてきました。「体性感覚と睡眠」の関係を否定されていた状態でした。
ところが近年ノンレム睡眠時には覚醒時よりも聴覚の応答性が高まっていることを示すことが明らかとなり、視床が感覚ゲートに関係してない可能性があることが報告され、そして2009年に、東北大学大学院情報科学研究科の稲田浩之 氏による「ノンレム睡眠およびレム睡眠期の体性感覚応答」の報告では、睡眠時の体性感覚応答を計測した結果、ノンレム睡眠時の応答が、覚醒時に比べて大きくなり、レム睡眠時の応答は、覚醒時の応答と大きな差がなかったことを報告しています。
自然体の睡眠では、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の移行に密接な関係があると言われているのが「寝返り」であり、無意識のうちに平均20〜30回の寝返りをうっているとされます。寝返りの役割のひとつに、この睡眠段階をスムーズに移行させるスイッチのような役割があると考えられていますが、この寝返りという動きからの感覚や皮膚感覚の体性感覚から、快適感覚をあじわっているのが「ノンレム睡眠」ではないかと勝手に考えてみましたがいかがでしょうか。
操体法の臨床では、ひとつの動きや皮膚感覚に対して快適感覚の有無をからだに確認(動診)し、快適感覚がききわけられたら十分に味わう(操法)というように、操体法の臨床の一連の流れが、寝返りが動診、ノンレム睡眠が操法と考えると、操体法の臨床で眠りに入るのもうなずけます。
自然体のからだは、睡眠の周期が操体法の臨床になり得るために、深い睡眠後の目覚めと、操体法の皮膚のアプローチ後の感覚が似ていることや、成長ホルモンの分泌など類似する点が多いと感じます。
安眠を操体の視点で解読する機会があります。2014年4月27日(日)に東京千駄ヶ谷 津田ホールにて、「入眠儀式 快眠・快醒(かいせい)のコツのコツ」として、2014年春季東京操体フォーラムが開催されます。沢山の方に参加していただきたいと思います。よろしくお願いします。
一週間お付き合いありがとうございました。またお会いしましょう!