操体はよく「自力自療」と称されることがあります。
しかしこの「自力自療」という言葉、
もう少し噛み砕いて、受け止めていく必要があるのではないでしょうか。
ちょうど、このことのヒントになるような
「扇子職人」の本があったのでご紹介します。

- 作者: 荒井修,いとうせいこう
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: 新書
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気持ちになれます。
学ぶことがダイスキな人にとっては「ご褒美」みたいな本ですよ(笑)
この本に登場する「師匠」
浅草文扇堂四代主人の荒井修氏は
あの「坂東玉三郎」の扇子も手がけている職人さん。
いとうせいこう氏が絶妙な「聞き手」となり
普段知ることのできないような職人の「中身」を
引き出し尽くして、まとめあげている極上の指南書です。
その冒頭に弟子入りして間もない頃の
こんなエピソードが書いてあります。
「驚きましたね。最初からいろんな仕事を教えてくれるのかと思ったら、親方が使っている道具を渡されるんです。たとえば「中ざし棒」なんていう、骨を通す道を空けるための竹の棒があるんですけれども、普通の竹を割ったものをポンと渡されて、「これで、俺の使っているのと同じものをつくれ」。道具からつくれというわけです。」
なるほど。職人に弟子入りして、まずすることは
自分がこれから仕事をする上で日々使っていく
「道具」を自分自身で拵えることなんですね。
これは操体を三浦寛理事長の元で学んだことのある人だったら
「そうだよな」と深く納得できることではないかと思います。
この職人がたどるプロセスを
「からだの手入れ」と重ねて考えてみるとどうでしょう。
実は私たちもまず、手入れするための「道具」を
拵える必要があるのではないでしょうか。
「操体は自力自療」と言っても
その「方法」も
ましてや「手入れの道具」も
自覚できていない状態では
自力自療の本領は十分に発揮され得ない。
そこでまず最初に「指導者」のもとで
自分自身で一生モノの「道具」を拵えていく。
その「プロセス」が必要なんだと思います。
「2014年秋季東京操体フォーラム」
今回は11月22日(土)23日(日)の二日間開催いたします。
メインテーマは「操体進化論」。
特に、22日は場所の都合上、人数が限られておりますので
ご参加希望の場合はお早めにお申し込み下さい。
詳細は以下、「東京操体フォーラムHP」をご確認ください。
http://www.tokyo-sotai.com/?p=813