東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

二日目 場を捉える

私は20数年前に、気功医師の方から医療気功を習いました。
医療用、治療用の気功は「外気功」と言います。
自分で気を練る鍛錬法は、内気功と言って、区別しています。
 
今は殆ど臨床では使っていませんが、操体をちゃんと学んでいるメンバーには、三浦先生の講習とは別枠で伝授しています。
 
これも以前に書いていると思いますが「伝えるべき人」に伝わるようです。
 
というのは
「この人に気功系のことを教えるのはまだ早いな」
「気功を教えると、これに頼りっきりになるかも」
と、いう気持ちがあり、伝授するのを先伸ばしにしていたのです。
 
しかし、ある時「そろそろ伝授してもいいかな。どうしようかな」と思った翌日、その二人(二人いました)が、そろって講習を辞めるという出来事が起こりました。

これは「伝授しなくてよい」ということでしょう。
 
なお、外気功は、ある特定のプログラムの鍛錬の後、伝授者(つまり、私)から「キー」(と言っておきましょう)を渡されて、初めて完成します。
 
途中までやっても「キー」を受けとらなければ、未完です。
 
これは「伝授」のシステムの一つだと考えています。
 
 
例えば渦状波。
不思議なもので、講習会場で、先生が近くにいると、現象が起こるのですが、
自宅や自分の治療院、治療室でやっても、現象が起こらない場合があります。
 
これには、いくつか理由が考えられます。
 
つまり、講習会場でできるのは、先生の力と場の力を借りているのです。
また、先生から「キー」を受けとっていない(正式に伝授されていない)ことも考えられます。
 
 
クライアントの方が「家でセンセイのマネをして、ダンナに指で触ってみたけど、何も起こらなかった」ということはよくあります。
 
また、ある人が、勉強の途中で講習を辞めたのですが、その後開業して「皮膚へのアプローチ」(渦状波というのは、商標登録されていますので、この方は、使えません)を行っていたようですが、
 
三浦先生の渦状波を受け慣れている(?)方が、この方の「皮膚へのアプローチ」を受けた時、全く違った、つまり「現象が起こらなかった」という話を聞いた時です
 
 
またここで、密教系の話(笑)になってすみませんが、
(詳しいことは「慈童さんシリーズ」を読んで下さいね~)
 
密教僧がご祈祷をする場合。
例えば「荼枳尼天供」(だきにてんく。荼枳尼天を供養するやり方)が出来る様になるためには、師僧や上のお坊さんから「授からない」とダメなんです。
 
また、きちんと授かっていないのに、真言を唱えたり印を組んだりすると、もののけに取り憑かれたり、「慈童さん」の中では、タヌキに取り憑かれた女性の話が出て来ます。
 
この「授ける」というシステムは、よくできていると思います。
 
講習会場では、先生のエリアにいるので、現象を起こすことができた。
しかし、そこで「自分はできる」と勘違いして、出奔し、自分自身でやっても、先生のエリアにいたときと同じことはできない。
 
ということなのです。
 

f:id:tokyo_sotai:20200505172959j:plain