最近の臨床の中で度々歩き方に違和感がある人を目にします。
訴えている症状としては不眠やからだのだるさを訴える人ですが、歩き方や動作が素人目から見ても違和感がある人が増えているように思います。
その理由も恐らくコロナにより生活リズムや環境の変化に順応出来ておらず、それが動きに変化を与えているように感じます。
私自身はコロナの影響は自身のメンタル的な部分に表れると思っていたので、少し驚きました。
しかしそれ以上に驚いたことはそういった人達は自身の動作の不正を自覚していないことで、やはり臨床の中でも自身の感覚と向き合うことが出来ませんでした。
そういった時は臨床の中でどうにかしてきましたが、今回のようなケースの人達への対応には少し悩まされました。
そこで悩んだ末のアプローチとして「歩くこと」を薦め,それもただ歩くだけでなく、足の親指を母指球を意識すること、呼吸を意識すること、踵に体重が乗ってきたら休むこと、そして常に分からなくてもからだの声に耳を傾けること。
この3つの条件をつけて数週間の間様子を見てもらうことにしました。
次の臨床時には先ほど書いたようなことに変化が見られ、特に眠りに関してはこれまで以上に深くなったとのことでした。
それ以降私自身も一日約1時間~1時間半ほどの歩行日課にしてきましたが、改めて歩くことは人間の基本であり、その時の感覚というのが健康に生きることにおいて大切なことだと気が付かされました。
それは動きの中でしか聞き分けられないからだの要求があるということで、その要求に耳を傾ければ自ずと自分の感覚もからだの要求しているものとの誤差がなくなってくるということです。