東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

般若身経を解説~知らないという衝撃~

「般若身経」は「からだの使い方、動かし方」のテキストのようなものでもあります。

人間には基本的な八つの動き(後述の六つの動き以外は、牽引と圧迫という動き)があるということ、

そのうち自力でできる動きは前屈、後屈、左右側屈、左右捻転の六つの動きだということも「般若身経」を通して教わりましたし、

普段自分が何気なくやっている動きと法則に従った動きではこんなにも違うのかということも「般若身経」を通して体感してきました。


特に衝撃を受けたのは前屈動作で、僕の知っていた前屈動作は準備体操なんかでよくやる膝の裏筋を伸ばして行うもの。しかし、般若身経の中で行われる前屈動作は、前屈するに従い膝の裏筋がゆるんでくるというもの。

なぜ、衝撃を受けたかというと、そのやりやすさを実感したと共に、「前屈は膝の裏筋を伸ばして行うもの」という先入観が頭の中にこびりついていて、膝をゆるめて行うという発想が全くなかったからです。

言い換えれば、「準備体操としての体の動かし方」は知っていても、「法則に基づいたからだの使い方、動かし方」は知らなかったということ。

けれども、「知らない」ということを知ることができたお陰で、「からだの使い方、動かし方」は目的によって変わるのだということに気づくことができました。


「般若身経」を通して身につけられる「からだの使い方、動かし方」は、からだにかかる負担を減らし、無理なく動作を行える「からだの使い方、動かし方」でもあるのです。