東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

ひだりで次第に光りだす⑥

鉢に植わった二年目のプチトマトはまだ青い実をつけながら、日毎に生長しています。

植物の上にうえに伸びていこうとする生命力は、仮に言葉を発することができるのならば、どんなふうに語りかけてくれるのでしょうか。

わたくし自身の中にも縦を感じる感覚がある。からだがそのようにききわけさせてくれる感覚によってからだに備わっている植物性が目覚めてくるかのようです。

植物にも原始感覚はあると、橋本先生は書籍の中で書かれています。トウモロコシだってその年の風の強弱で根の張り方を変えると。日光や空気、水や地とつながり、風圧といった環境の変化を受け取る。

ほんとうに必要なものを受け取る力、その中で感じられる微妙な変化、左(然)程と思ってしまうようなそのほんのちょっとでスイッチが入りだす。

植物性が目覚めるというのは、これもからだから頂いている感覚が言葉になったものですが、ただの比喩表現では終わらない。

実際に、わたくしが意識することなく日々営まれているからだの無意識的な不随意的な領域である自律神経系。またの名を植物神経系。意識することなく拍動し続ける心臓、眠りの間の呼吸、ハラワタのうねり、等々。

植物系そのもののバランスと、植物系(無意識)とわたくし(意識)とのバランス、その中に縦を感じる感覚も存在する。存在するからはかられるバランス。ヒトの「性」の中に動物も植物もあって、赤い血も蒼い血もこのからだに流れている。