東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

山 4日目

リヒャルト シュトラウスに「アルプス交響曲」という作品があります。アルプスを眺望する小高い山に登ってから降りるまでを音楽にした秀作です。


この曲もいいのですが、私はどちらかというと、この作曲家の「オーボエ協奏曲」が好きです。

 

第二次世界大戦が終わった1945年、スイスの山荘に隠棲していたR.シュトラウスの所へアメリカ軍の兵士が慰問に訪れた。その中の一人に、当時ピッツバーグ交響楽団(後に、フィラデルフィア管弦楽団)の首席オーボエ奏者のジョン・デ・ランシーがいた。

 

彼は、シュトラウスのオペラのオーボエ・パートの書法を絶賛し「この楽器のために協奏曲を書く気はありませんか?」と尋ねた。シュトラウスは気の無い返事をしたが、その後、気が変わり、今日我々が聴く、あの美しい曲が書かれた。


作曲家は、初演のソリストにデ・ランシーを望んだが、1946年当時、まだ従軍中であったために叶わなかった。 残念