法隆寺宮大工 西岡常一棟梁 は、
「わたしに何か話せゆうても、木のことと建物のことしか話しませんで。」
と仰いますが、その言葉には含蓄があります。
「環境とか育ち方が木の性質を決めてしまうです。それを証明する例が、日本の吉野杉を台湾に植えてる話ですな。ヒノキの伐採したあとに日本から持っていったスギを植えているんです。日本の行政時代からやってますので、今はこれぐらい(直径20cmぐらい)になってます。これを伐ってみるとわかりますが、まるで吉野杉とは違ってます。吉野から種を持って行っても全然別のものになってしまうんです。
土地によって木の性質が決まってくるんです。間違いありません。
それから言うんでしょうな、「木を知るには土を知れ」と。」
「人間は、クレマ(気候・風土)の産物である」という言葉があります。
生育環境が大事ということです。